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春・夏・秋・冬

 広島・長崎への原爆投下から敗戦となった8月、NHKをはじめとするテレビでは特集番組がいくつも放映された。原爆の悲惨さや戦死した多くの若者とその遺族の思いなどが語られる一方、戦争へとひた走った原因の一端が軍部の暴走、当時の雰囲気にあったなどとも紹介された

▼NHKが放映した核兵器と関連する市民たちによる討論番組では、「北朝鮮の核に対抗するためには日本も核武装すべき」「非核三原則を見直して核抑止力を持つべき」などの意見が出され、被爆者や平和を志向する市民たちとの間で激しい議論が交わされた

▼一部のメディアを除いては、悲惨な戦争を二度と起こしてはならないという論調だが、加害者というより被害者の立場からの主張が毎年目立つ。被害者の目線なので、朝鮮をはじめとするアジア諸国の人々への加害について語られることはほとんどない。加害者としての反省なしに語られる「不戦」では、真の不戦にはならないのではないだろうか

▼総選挙が公示され、どの党もマニフェストなどを通じて政策をアピールしている。「北朝鮮のミサイルから日本を守る」などといった暴論はさておき、「北朝鮮の脅威」を口実にした外交・安保政策では、自民も民主もさほどの違いはない

▼「経済制裁など圧力をさらに強化すべき」という煽られた世論を考慮してのことだろうが、02年以降、「圧力」によって何が得られたのかをもう一度考える必要があるのではないか。被害者としての立場をいくら強調しても、加害者としての歴史が消えることはない。(国)

[朝鮮新報 2009.8.20]