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春・夏・秋・冬

 日本の総選挙が終盤を迎えた8月下旬、米国務省、財務省、国家安全保障会議、国防総省の代表が訪日した。目的は、国連安保理決議=対朝鮮制裁実施状況に対する、カウンターパートナーの各省庁担当者との意見交換であったという。しかし、選挙のさなか、日本の政治が麻痺状態下の訪問だけに少し奇異に感じられた

▼団長を務めたゴールドバーグ国務省調整官は会見などで、対朝鮮半島政策の目標は「非核化のプロセスに戻るということだ」と語った。6者会談に言及しなかったことについて「意図的なものなのか」「戦略の変更なのか」と問われ、「6者協議、多国間のアプローチというのが中心的な存在だ」と付け加えた。一呼吸を置いての6者会談への言及、これまた奇異な感じがした

▼クリントン元大統領の訪朝についての説明の中で、「人道的なミッション」を強調しながら、別途、米国の外交的取り組みについて朝鮮を除く6者会談参加国との対話など、表現を変えながら同じ内容の事を繰り返し口にしたのも奇異な感じがした。現場にいた人たちによると「奥歯に物が挟まった物言い」

▼シンガポールを舞台にした第二のバンコ・デルタ・アジアのねつ造なのか、クリントン訪朝を機にした2者協議への転換なのか―オバマ政権の真意は図りかねるが、朝鮮の外交攻勢にたじたじとしている事だけは確かである

▼さて、300超えの議席を占めた民主党、米国との対等な同盟を口にするが、そのためには朝鮮半島冷戦構造の払拭が前提になる。絵に描いた餅になるのかどうか、決断のしどころだ。(彦)

[朝鮮新報 2009.9.4]