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9月下旬、中国・胡錦濤国家主席の特使(戴秉国国務委員)に続いて、今月4日から温家宝国務総理が平壌入りしている。総じて、1949年10月6日の国交樹立60周年を記念した「朝中友好年」の仕上げとしての訪朝という位置づけになるだろうか ▼中国外交部報道官は先月22日の定例記者会見で「朝鮮半島と北東アジアの緊張化した情勢に緩和の兆しが見えた。朝鮮半島核問題をめぐる協議の早期再開、ならびに朝鮮半島非核化プロセスの進展に向けて、関係各方面と共に努力し、意思疎通の強化をはかりたい」と明らかにした(「人民網日本語版」)。この発言を加味すると、中国ナンバー2の訪朝、単なる記念行事への参加ということだけに止まらない事が窺えてくる ▼前述特使の訪朝と関連し同報道官は、朝鮮側が「2国間と多国間の対話を通じて諸問題を解決していきたい」と述べた事実にも言及した。6者会談ではなく「2国間と多国間」という表現を中国政府が踏まえている点を合わせて考えると、8月のクリントン元米大統領の訪朝後、新たな「枠組み」の意識の中で朝米核問題が論じられ始めたことが指摘できる ▼当面、注目されているのはボズワーズ米国務省朝鮮半島担当特別代表の訪朝有無である。新たなウラン濃縮施設建設問題を巡り、国際社会の目がイランに集中すればするほど、その可能性は高いと指摘する向きは多い ▼6者会談が水泡に帰した反面、朝鮮と米中、3者の動きは目に付く。「グランドバーゲン」などという古い思考は必要ない。新しい思考が求められている。(彦) [朝鮮新報 2009.10.2] |