「窮鼠猫をかむ」という。この例えが適確だとは思わないが、それにしても、似て非なり、と思わせる。拉致被害者支援団体などによる６．１５共同宣言、１０．４宣言の履行を求める海外同胞大会東京開催に反対する露骨な動きだ

▼同団体などは１４日、「（朝鮮を支持する）大会がわが国の首都で公然と開かれることを黙ってみているわけにはいかない」との共同声明を発表。大会当日に抗議行動を行うと発表した。６．１５、１０．４宣言を支持し、その履行を求めることがなぜ朝鮮支持というふうに単純化されてしまうのか、まったくもって理解ができない。無知、わい曲もはなはだしい

▼北南両首脳は、６．１５共同宣言によって民族の共存・共栄に向け歴史的な一歩を踏み出し、対決・対峙の関係を氷解させた。だからこそ、朝鮮民族はもとより、国際社会もこぞって支持を表明し賛辞を惜しまなかった。故金大中元大統領にはノーベル平和賞まで贈られた

▼李明博政権の登場によって、ブレーキはかけられているものの、南朝鮮社会でも両宣言は確固とした地歩を築き、その履行、実践は一大潮流となって誰にも止められないものとなっている。１０．４宣言２周年を機に、歴代統一部長官や政府高官、各階層市民を網羅した運動体が構成されつつある。前述団体の主張ならば、こうした動きも朝鮮支持となってしまう。論理の破たんをきたしている

▼結論的に朝鮮民族排外主義の何ものでもない。朝・日関係を閉ざせば閉ざすほど打開の道が遠のくことに気づくべきだ。そうした人もいるのだが。（彦）

［朝鮮新報 2009.10.16］