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春・夏・秋・冬

 伝統は一朝一夕で作られるものではない。多くの人が汗を流し経験を積み、失敗と試行錯誤を繰り返すことで築かれていく。急造で何かをしようとしても、どこかにほころびが生じるものだ

▼日本のプロ野球球団の老監督が、大事な試合を直前に控えた時期に球団側から「契約切れ」を言い渡された。契約うんぬんはともかく、功労者への配慮を欠いた対応が気になった。監督批判をした外国人選手がTシャツとハーフパンツ姿で謝罪に現れ、再び監督を激怒させた。気付いて指摘してあげる人がいなかったのだろうか。球団創設5年、伝統のなさか

▼某在日民族団体の地域本部が、「本国」側から韓日文化交流イベントを持ちかけられた。だが、担当を任されたのはソウル生まれの活動家。日本での経験不足から準備は進まず、直前になって日本の市民団体を介し総連関係者に協力を求めることになった。「本国」のある関係者は後日、「これからは総連の人に頼もうか」と嘆いた

▼各地でも、共催と称しながら実際は総連にほとんど依存している行事をよく目にする。「総連は若い人がいていいね」。朝青や留学同の青年、朝鮮学校の生徒を見てはうらやむ声を聞く。民族と同胞社会に貢献する人材を育ててきた民族教育の伝統への羨望だ

▼神戸朝高創立60周年同胞大祝典が盛大に催された。実行委員から生徒にいたるまで、参加者たちは「60年の伝統を受け継ぎ…」と口をそろえた。学校と同胞社会を発展させようとする若い世代の熱意がみなぎっていた。さらに磨きをかけ新しい伝統を創ろうとしている。(天)

[朝鮮新報 2009.10.19]