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春・夏・秋・冬

 「朝鮮の本当の実情を知っている6者会談の各担当者たちなら、朝鮮の主張が至極当然なものだということを理解している」。先日大阪で行われた朝・日関係正常化とチュチェ思想に関するシンポジウムに参加したロシア科学アカデミーの部長は、このように主張した

▼同部長は、先月末から今月初旬にかけて米国で行われた学術会議に参加したその足でシンポジウムに参加。今回の会議を、朝鮮半島の核問題を解決するうえで肯定的な役割を果たすものだと評価した。中国やロシアが朝鮮との関係を強化し、米国も対話のテーブルに着こうとしている状況は、同部長が言うところの「朝鮮の本当の実情」を知るにいたったということか

▼その一方で、「北朝鮮の核問題を解決するための」6者会談という決まり文句が氾濫している日本では、朝鮮が核抑止力を持たざるをえなかった状況に対する理解はおろか、朝鮮の現在の状況も理解できていないのだろう

▼90年代後半から「北朝鮮崩壊説」がまことしやかに喧伝され、その後も「経済状況のひっ迫」は当たり前のように捉えられている。それが仮に事実なら、対話に踏み切った米国の外交についてどういう分析をしているのか聞いてみたい

▼EU主要国の中で唯一、朝鮮との国交がないフランスの大統領特使が9日、平壌入りした。「平和や相互の関係など、さまざまな議題について話し合う」と北京で述べているが、国交正常化も視野に置いていることは言うまでもない。世界情勢を冷静かつ客観的に分析することが日本に求められている。(国)

[朝鮮新報 2009.11.11]