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春・夏・秋・冬

 米国務省は、朝鮮政策を担当するボズワース特別代表を近く訪朝させることを公式発表した(10日)。オバマ政権発足後、立地の定まらなかった朝鮮半島政策、とりわけ朝鮮側から突きつけられた命題に回答する意思が固まったのだろうか。朝鮮側の突きつけた命題とは、主権の行使(人工衛星打ち上げ)を侵害した非を認め、二度とそうした不当な行動を取らないことを約束し、それを担保する枠組みを作ることである

▼先月、訪朝した中国・温家宝首相との会談の際、金正日総書記はその枠組みがどういうものなのかについて具体的に言及した。つまり、朝米間の敵対関係は必ず平和的な関係に転換されるべきである、ということだ。そのためにはまず、何よりも、朝鮮戦争の停戦状態が平和状態に転換されなければならない。この作業なくして、いわば朝鮮半島の非核化もならないのである

▼さらに総書記は、朝鮮半島の非核化は金日成主席の遺訓である、とも語った。敵対する朝米関係をそのままにしては、必ず実現すべき遺訓も実行に移せないと指摘したも同然だ

▼ボズワース特別代表がどういう回答を携えて平壌を訪れるのか、注目はこの一点であろう。クリントン国務長官の訪朝を前提にした真しな内容になっているのかどうかだ

▼総書記はまた、朝米会談の結果を見て多者会談を行う用意を表明した。多者会談には6者会談も含まれている、とも付け加えた。この点からしても、ボズワース訪朝は転換的な意味を持っている。しかし、6者会談再開云々という次元の訪朝でないことだけは確かだ。(彦)

[朝鮮新報 2009.11.13]