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春・夏・秋・冬

 「人類の活動が地球温暖化をもたらした」という説の説明によく使われるデータのねつ造疑惑が指摘された。「京都議定書」に次ぐ温室効果ガス削減ルールを討議する国連「気候変動枠組み条約」第15回締約国会議(「COP15」)への影響が懸念されている

▼国際的に著名な研究機関のコンピューターがハッキングされ、1千通以上の電子メールが流出した。その中には、ガス排出が増えた20世紀後半に地球の気温が急上昇したことを示すグラフに「トリック」があることを示す内容や、温暖化懐疑派に対して「論文を掲載しない」「データにアクセスさせない」など圧力を加える内容もあった

▼そのデータは、地球温暖化について研究する国際的な政府間機構「気候変動に関する政府間パネル」が採用したことで知られている。データのねつ造が行われていたとすれば、「人為起源温暖化説」の根拠にまで疑いがかけられ、交渉が難航する可能性もある

▼温室効果ガス削減問題は、経済問題と密接に関連している。それだけに、利権や癒着と結び付く危険性も高い。結論ありきでつじつま合わせのためにデータが操られていなかったか、再検証する必要がある

▼「COP15」では、米中首脳が削減目標数値を提示すると伝えられている。ガス排出量トップ2がポスト「京都議定書」に参画する意義は大きい。だが、核兵器削減問題と同じく、どれだけ真剣に取り組むのかが重要だ。「データねつ造をリークすることで、温暖化問題をわい小化し、削減のハードルを下げようとしているのでは?」と疑う人もいる。(天)

[朝鮮新報 2009.11.30]