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春・夏・秋・冬

 12月4日、日本のある団体が京都朝鮮第1初級学校に押しかけた。「スパイの子どもは北朝鮮に帰れ!」と口々に暴言を吐くなど、約1時間に渡って騒動を起こした。同団体が事前に「予告」をしていたこともあり、事前に警察へ通報していたが、何ら対策をとることもなく当日も傍観していたという

▼同校ではこの日、京都、滋賀の朝鮮学校の生徒たちが集まり交流会が行われていたが、低学年の子どもたちの中には恐ろしさのあまり、泣き出す子もいたという。日本の市民団体などの各団体は、この事態を重く見て22日に緊急集会を開く

▼日本の社会にまん延する朝鮮人べっ視の風潮は近代に入ってから続くものだが、拉致問題後はさらにその度数が増した。各地の朝鮮学校に対する嫌がらせや生徒への暴言、暴行も後を絶たない。より本質的な問題は、こうしたことを「当たり前」と捉えたり、黙認する社会全体の雰囲気である

▼今回の事件に関して報じているメディアは、12日現在で一つもない。その一方でこの団体のホームページは、今回の事件を「上陸作戦」などと称し、大々的に扱っている。一部の日本人は、「朝鮮人は煮ても焼いても構わない」という植民地時代の思想をそのまま受け継いでいるのだ

▼今回の事件によって何の罪もない子どもたちが受けた心の傷を思うと、怒りと悔しさがこみ上げてくる。朝鮮や在日同胞について理解し、惜しみない支援と協力を送ってくれる日本の人々も数多く知っているが、いつまでこのような屈辱に耐えねばならぬのかといたたまれなくなる。(国)

[朝鮮新報 2009.12.14]