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列島の狂乱−メディアが駆り立てる「戦争前夜」

 朝鮮の人工衛星打ち上げをめぐって、日本列島は狂乱状態に陥っている。とくにメディアの北叩きは今まさに「戦争前夜」の沸騰点に達したかのようだ。

 隣国を敵視し、蔑み、事実を捻じ曲げて、ウソの報道を垂れ流す。これは、日本が戦争を引き起こしたときの常套手段であった。

 日本はかつて「神の国」「世界で最も優れた国」「決して戦争に負けない」と国民を信じ込ませ、戦争に駆り立てた。

 しかし、このような独善的な考えが世界に通用するはずもなく、1945年、日本は惨澹たる敗戦を迎えた。アジアで2000万人以上の人びとを犠牲にし、日本人もまた310万人も亡くなるという、それまで経験したことのない膨大な犠牲を払っての敗戦だった。

 日本が朝鮮を支配するのに重大な1歩となったのは日清戦争だ。中国と日本が朝鮮の支配をめぐって争った戦争である。清朝は、朝鮮と深い関係を結んでいた。それが日本が朝鮮に勢力を広げる上で大きな障害になっていた。そこで、日清戦争で日本は「朝鮮の独立を守る」ことがこの戦争の目的だと内外に宣言した。中国は国家の独立も認めない国際法をわきまえない「野蛮な国」、それに比べて日本は「文明国」だから「朝鮮の独立を守る」と言ったのだ。日清戦争は「文明」と「野蛮」の戦争というわけだ。

 その過程で、邪魔者、朝鮮の王后閔氏を惨殺させたのが、日本軍・政府だったと新刊「朝鮮王妃殺害と日本人」(金文子著)が明らかにしている。

 隣国・朝鮮との平和的な共存なしに、日本の安全は保障されない。日本は醜悪な過去を、まず、反省しなければ、騒いだところで誰も相手にしないだろう。(粉)

[朝鮮新報 2009.4.3]