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訪北20周年−変わらぬ「統一」への思い

 文益煥牧師が平壌を訪問し、金日成主席と歴史的な会談をした時から20年が過ぎた。同年夏には、平壌で開催された第13回世界青年学生祭典に韓国外国語大学生の林秀卿さんが「全大協」(全国大学生代表者協議会)の代表として参加し、白頭山から板門店まで行進、民間人としては初めて軍事境界線を越えて南に帰った。当時、軍事政権下にあった南朝鮮で、訪北はまさに命がけの行為だった。

 あれから20年。6.15共同宣言発表以降、北と南は緊張緩和と民間交流の活性化など民族の和解と協力に向けて歩み寄ってきた。しかし、李明博政権発足後、南の反統一姿勢により北南間の溝は深まっている。

 先日、林さんの友人で詩人の申東昊さんの著書「コップニの手から温もりを感じる―詩と小説を追って共に行く北」を手にした。著者は学生時代「全大協」の文化局長として活動し、拘束経験も持つ。2001年に平壌で開かれた「民族統一大祝典」にも参加した。

 彼は、本書を通して数々の北の詩と小説を紹介し、北の詩人についても書いている。中には、光州人民蜂起を扱った「献血行進」、孫に烈士の名前をつけた「わが家にもセジンがいる!」なども取り上げられている。

 文学作品には人々の生活や感情の機微が描かれている。本からは、統一に向けて北(南)の人々を理解しようとする切実な思いが伝わってくる。

 「統一はひとつになることではない。統一はより多様化されることである」(まえがき)

 20年の歳月が過ぎても祖国統一に向けて、自分に何ができるのかを問い続ける彼の姿勢に胸が熱くなった。(潤)

[朝鮮新報 2009.4.10]