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「PSI」−平和への知恵と勇気ある行動を

 李明博政権の「大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)」への全面参加表明が南の人々から猛烈な抗議を受けている。

 朝鮮はかねてより南のPSI参加は、北への宣戦布告であると警告を発してきた。米国の尻馬に乗って、緊張激化と戦争前夜へと導く愚かな行為を直ちに撤回すべきだ。

 ブッシュがかつて「9.11」の直後、「テロとの戦い」を打ち出し、アフガニスタン戦争、イラク戦争へと踏み出し、この地の多数の人々を大量殺戮し、その国土を徹底的に破壊したことは記憶に新しい。

 しかし、米国は戦争の泥沼から未だ抜け出せずにいる。踏み躙られた人々の激しい抵抗は日増しに拡大している。もはや力を駆って世界を支配しようとする米国の単独行動主義は通用しない。

 米国が目論む船舶検査活動の名の下の「臨検」とは、国連海洋法を超越して朝鮮の洋上阻止を力づくで実行しようとするものだ。国際法の原則である「海洋自由原則」の根幹を破壊する暴挙である。いかなる国であれ、朝鮮の船舶を勝手に臨検することなど許されるはずもない。

 米軍再編の進行下で、米軍は自衛隊の船舶検査活動を強く促している。軍事評論家の前田哲男氏は自衛隊の役割を「盟主米国につき従う保安官助手」(「自衛隊 変容のゆくえ」岩波新書)と断じている。

 「北の脅威」を煽り、軍事行動に走るのは愚かさの極み。ブッシュの「テロとの戦い」が、暗礁に乗り上げ、ネオコンは政治の舞台から追われた。それが現実である。

 平和への知恵と勇気ある行動こそが今、求められている。(粉)

[朝鮮新報 2009.6.5]