top_rogo.gif (16396 bytes)

精神力−「最大の誇りであり、幸せだった」

 5月から本紙で元参議院議員で、平和フォーラム副代表の清水澄子さん(81)の聞き書き「愛と闘いの物語」を連載してきたが、先ごろ、完結した。

 この間、清水さんのぼう大な話をテープに収め、数十冊の取材ノートに記録した。清水さんの体調は決して万全ではなかった。2月初め肺がんと診断されて以来、週1回、通院しながら抗がん剤治療を受けている。10月には、白内障の手術で入院、その間には激しい腰痛にも悩まされ、眠れない日が続いた。

 しかし、いつも前向きで、決して愚痴をこぼさない。「治療が順調に進んでいて、きょうは体調がいいわ」と明るく答えてくれた。

 治療の傍ら市民集会の講演をこなし、地方出張にも出かけていった。主治医も「驚異的」だと太鼓判を押す体力、精神力の強さ。活動の「質」に、衰えは見られず、相変わらずエネルギッシュである。

 連載中、多くの読者、知人はもとより、北や南の要人らから花やお見舞いが相次いだ。長年の知己である北の洪善玉・最高人民会議副議長からは二度、見舞いの手紙が届いた。そこには清水さんの病気が快方に向かっていることを喜びながらも、「しかしながら、一方ではいつも情熱的であった先生が容態が好転したからといってあまり無理なさるのではないかという新たな心配が生まれたりします」と長年の友人らしい気づかいの言葉が綴られていた。

 清水さんは在日、北、南の人々と共に闘ってきた人生を、「最大の誇りであり、幸せだった」と振り返った。自らの二本足で道を切り開き、歩いてきた人だからこそ言える、き然とした言葉だった。(粉)

[朝鮮新報 2009.11.6]