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現実と日々格闘する人々

 「趣味は?」と聞かれたらあなたは何と答えるだろうか。昔から趣味らしい趣味を持たない私は、いつも答えに窮してしまう。

 ところが最近、知人の女性から「趣味ってね、自分が一番時間とお金をかけているものが何かを答えればいいんですって」と言われ、妙に納得してしまった。

 そうか、別にダンスだのフラワーアレンジメントだの、老後の楽しみやボケ防止のために「何かやらなきゃ!」と強迫観念にかられる必要はないんだわ、と無趣味な私はうれしくなった。彼女風に言えば、いま私が一番お金と時間をかけているのは「人に会うこと」だ。

 オモニ会の活動に心血を注いでいる後輩、同胞高齢者の介護に生きがいを見出してバリバリ働いている年上の友人、悪くなる一方の情勢の中でもどうにか朝鮮と日本の新しい関係を作っていけないか腐心している日本人の友人…。

 世代や性別、地域や国籍さえも越えて、日本社会とそこに住む在日同胞たちが抱えている問題に真摯に向き合ってる人々には輝きがある。

 現実と日々格闘している人にしか見えないものがきっとあるはずで、それが彼らを輝かせている理由なのだろう。

 そんな人たちと会って話を聞くこと以上に心楽しいことがあるだろうか。

 いま流行りの三国志の曹操じゃないけれど、そういう意味で言うなら私も人材コレクター? の素質ありかな。

 意志的な人に出会うとうれしくてたまらない、だから時間もお金も使う。

 みなさん、これも立派な趣味と言えますよね?(李春伊、会社員)

[朝鮮新報 2009.4.17]