留学同京都結成65周年記念文化公演 「進んできた道」「進むべき道」示す |
留学同京都結成65周年記念文化公演が2月20日、京都市国際交流会館で行われた。総連京都府本部の金学福委員長をはじめとする各団体の代表、近畿および東海地方の留学同関係者など200余人が観覧した。 公演のテーマは「길(道)」だ。45人の出演者たちは公演を通して、在日同胞と留学同の先代が歩んできた道のりを胸に刻み、同胞社会を築いた1世、2世たちの精神を受け継ぎ、自分たちの手で新たな未来を創造していく決意を披露した。 公演は、重唱「アリラン」で幕を上げた。草創期から現在までのスライドが同時上映された。 続いて、サムルノリと創作劇「길(道)」が舞台に上がった。 創作劇は、留学同の学生たちが民族性を確認し共有する夏のイベントである「マダン」に向けた日常生活を背景に、同級生や先輩と後輩、親子のそれぞれのドラマを通して「進んできた道」と「進むべき道」を描いた。今も残る就職差別やいじめ、民族のアイデンティティーに関する葛藤などを浮き彫りにした。
「学生という安全な立場から民族、差別を考えたにすぎないのではないか」という葛藤や、「差別されたからと、差別する側にまわれば終わりなのか」「民族として生きるために必要なのは犠牲ではなく、歴史を知り受け止めて進むための覚悟だ」という真摯な問いが観客たちの共感を呼び胸を打った。また、劇中で進行される「マダン」の一場面として、舞踊やプンムルノリが披露されるなど、しゃれた演出もあった。
公演の最後は、合唱「心ひとつに胸を張って生きよう」が飾った。 創作劇で主役を務めた玄達人さん(同志社大学1回生)は、「公演の意義を感じ、楽しみながら準備してきた。日本社会から見る留学同と、留学同から見る日本社会の間には大きな差がある。セミナー、イベント、学習とメリハリをつけた活動を通じ、多くを吸収したい」と述べた。 観覧した同胞たちは、「同世代の同胞学生として大きな力をもらった。やり遂げた出演者たちを羨ましく思う」「私たちにとって大切なものは何かが、再確認できる素晴らしい公演だった」と感想を残した。 日本の市民からも、「普段窮屈な思いをして本名すら名乗れないという事実に胸が痛んだ。自分の国の民族性というのを考えてみたい」「とても興味深かった。留学同が在日朝鮮人学生にとってどんな存在であるか、これからも守っていかなければならないと考えさせられた」といった声があがった。 とりわけ留学同のOB、OGには深い感銘を与えたようで、「懐かしい。昔を思い出す。励みになった」と口々に話した。 あるOBは、「自分たちが進んできた道の先に自分たちが進む道があると、後輩たちは示してくれた。これほど誇らしいことはない。彼らの進む道を応援し、自分の道を信じて進みたい」と語った。(鄭尚丘記者) [朝鮮新報 2010.3.1] |