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「在日無年金問題の解決を目指す会・京都」が発足

「在日同胞の尊厳勝ち取ろう」

 「在日無年金問題の解決を目指す会・京都」(目指す会)の発足集会が2月13日、京都テルサ会議場で行われ、無年金裁判の原告や支援する団体のメンバーと個人が参加した(写真)。

 京都の在日障がい者の無年金訴訟が2000年に提訴されて以降世論の関心が集まり、さまざまな形で問題の解決を求める運動が広がった。04年には在日高齢者の無年金訴訟も提訴された。

 しかし、07年には障がい者訴訟が、09年には高齢者訴訟が最高裁によって棄却され、法廷闘争を通じた問題解決の糸口は絶たれた。08年10月、国連自由権規約委員会が日本政府に改善を求めたにもかかわらず、国は救済うんぬんは国家の「裁量権」であり、国連の各条約は法的拘束力はなく「努力目標」であると主張。明白な差別的処遇の改善に乗り出さなかった。

 在日無年金の障がい者、高齢者たちは年金が受け取れないことから生活苦にあえいでおり、さらに障害者自立支援法の制定や後期高齢者医療制度の開始により、彼らの生活は一段と逼迫している。こうした中、法廷闘争を支援していた「在日外国人障害者の年金訴訟を支える会」と「在日韓国・朝鮮人高齢者の年金訴訟を支える会」が一つになり、在日無年金高齢者、障がい者を引き続き支援し、問題を解決しようと「在日無年金問題の解決を目指す会・京都」が発足した。

 「目指す会」の顧問となった総連京都府本部の琴基都副委員長は、「私たちがこの問題を広く知らせ、実質的な救済措置としての地方自治体の給付金制度の拡充を実現していこう」とあいさつした。

 京都では現在、総連と民団が協力して府内の市町村に対して給付金の増額を要請しており、厚生年金と給付金の重複受給や自治体ごとの給付金増額を勝ち取っている。今後も制度の拡充やさらなる増額に向けて働きかけていく。

 「目指す会」の共同代表に選出された金順喜さんは、「今後ともみんなで力を合わせ、在日同胞の尊厳を勝ち取るためにがんばろう」と訴えた。【京都支局】

[朝鮮新報 2010.3.5]