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本気で

 「(高校無償化の)問題を本気で解決する気があるのならば、1〜2週間でできるはずだ」−4月20日、衆議院会館を訪れた福岡県の日本市民、朝鮮学校関係者らの要望を聞き、文部科学省に電話をかけたある国会議員の発言だ。

 まったくだ。文科省は本気で問題に取り組んでいるのだろうか。

 4月30日、文科省は「無償化」の対象となる外国人学校を告示、朝鮮学校は外された。それを受け、全国朝鮮高校校長会と全国朝鮮学校オモニ会連絡会は5月1日、談話とコメントを発表し、怒りをあらわにした。

 他方で、各地の朝高生たちは、「高校無償化の適用を求める全国朝鮮高級学校学生たちの連絡会(朝高学生連絡会)」を4月に発足させた。多くの朝高生たちが「鳩山首相と直接会って思いを伝えたい」と切に願っている。

 当の首相も生徒たちの気持ちを慮ってか、与党内からの反発の声に応じてか、生徒と会うことを明言している。しかし、それも未だ実現されていない。

 「無償化」施行から2カ月が過ぎようとしている。文科省は「無償化」が適用された場合、遡って4月分から支給する意向と言うが、不透明な政治の動きの中でどこまでやる気があるのか心もとない。

 一刻も早く、この朝鮮学校への差別的処遇に終止符を打つべきだ。伸び伸びと学ぶべき生徒たちは、この深刻な状況に「自分の存在を否定されているようだ」と傷つき、不安を抱えている。本気で問題と向き合ってほしい。(裕)

[朝鮮新報 2010.5.17]