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写真集を見ながら

 先日、平壌滞在中のある在中国同胞から一冊の書籍を寄贈された。昨年10月、中国で刊行された中朝外交関係樹立60周年記念写真集がそれ。「朝中友好の年」に際して企画・出版されたものだ。

 1949年10月、国交樹立に際して両国の外相が交わした直筆文書の写しや首脳外交のひとコマなど、朝中関係の歴史を伝える写真が分野別に収録されている。中国側の編さんとあって、今まで目にする機会がなかった写真も数多く収められていて興味深い。

 そのうちのいくつかは記者も現場に立ち会ったが、60年という歴史の厚みに接すると、たかだか数年の経験などまったく取るに足らないことを実感させられる。この本を通じて初めて知った事実も多く、自身の不勉強を恥じた。

 昨年、外交関係樹立60周年という節目を迎えた朝中関係。今月3〜7日に行われた金正日総書記の中国非公式訪問をはじめ、歌劇「紅楼夢」の中国巡回公演や各レベルの人的往来など、今年に入っても動きは活発だ。とくに、朝鮮戦争勃発から60年目を迎える今年は中国参戦60周年でもある。10月を前にして、すでにいくつかの老兵代表団や遺族代表団が訪朝している。

 「外交には永遠の友も敵もいない」と言われるが、さまざまな歴史の風波を経てきた両国の結びつきは戦略的見地からも強固さを増している。

 朝中関係のダイナミズムを現場から伝えているのか−。写真集のページを繰りながら自問し、ふたたび恥じ入った。(相)

[朝鮮新報 2010.5.24]