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カモン、イタリー!!

 サッカーのW杯1966年イングランド大会で起きた「世紀の番狂わせ」と聞いて、「あぁ、あれね」と言える人は例外なくサッカー小僧である。

 朝鮮が強豪・イタリアを破ってアジア初のベスト8に進出−。とはいっても、サッカーに興味のない人にはそのスゴさがなかなか伝わらないかもしれないから、わかりやすく言うと、智弁和歌山の野球部が阪神タイガースに勝っちゃうぐらいのことなんですね。

 本当にスゴいのである。あの勝利のおかげで、世界の人々が朝鮮民主主義人民共和国を知ったといっても過言ではないぐらいの衝撃であった。W杯の歴史を語るとき、マラドーナの「神の手ゴール」や「5人抜き」と同じくらいすっかり定番になっている。

 あれから44年。朝鮮代表が久しぶりにW杯に出場した。もう、オールドファンにはたまらないわけ。イタリア中のパブというパブで、ピッツァとワインを片手に「…パクに決められたとき(チソンじゃないですよ)、テレビをぶっ壊しちまって女房と喧嘩三昧。ガキを連れて家を出ていったきり、顔も見てねえや」みたいな老フーリガン同士のセンチメンタルな会話が交わされたはずなのである。

 そんな朝鮮とイタリア。うまくいけばベスト8で当たる可能性もある。鄭大世のゴールでまた勝ったりして。そうなったら「番狂わせ」なんて誰にも言わせない。もう、実力でしょ。その前にポルトガルとコートジボワール? いいの。そんなことは。夢を見ましょうよ。44年ぶりの夢を。カモン、イタリー!!(健)

[朝鮮新報 2010.6.14]