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日本でもドイツでも

 先日ドイツ2部リーグのVfLボーフムに移籍した鄭大世選手がドイツのデュースブルクで行われた練習試合に初出場し、初得点を決めた。試合前半に得たPKでの得点を決め、8月から始まる国内リーグ戦に向け好発進した。

 安英学選手とともに、在日同胞選手としては初めて、サッカーの世界一を決めるW杯に朝鮮代表として出場した鄭選手。W杯が行われた南アフリカでは、各国の記者たちを驚かせたエピソードがある。

 各国の代表チームは試合が近づくと、記者会見を行うことが義務付けられている。試合を数日後に控えたある日、練習後の会見に臨んだ鄭選手が、記者たちの質問に同じ言語で答えた。朝鮮語、日本語はもちろん英語、ポルトガル語まで入り混じった会見が行われた。外国語をコツコツと勉強したのだという。外見的な華やかさだけではない鄭選手の「見えない努力」を垣間見ることのできたシーンでもあった。

 現在、鄭選手は前所属チームの川崎フロンターレの本拠地、神奈川の同胞からプレゼントされた電子辞書を使って、ドイツ語を猛勉強しているという。神奈川の同胞(川崎フロンターレ鄭大世選手応援会)が先日主催した歓送会でも、「つらいときはいつでも日本に戻ってくるように」との願いが込められたドイツ−日本間の往復航空券が贈られた。

 日本だけではなく、ドイツでも同胞の温もりを実感している鄭選手。日々厳しいトレーニングを支えるメンタルは、いつどこにいても、同胞によってしっかりと支えられているようだ。(東)

[朝鮮新報 2010.8.2]