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初出張

 今夏は、地方出張で各地を回った。取材現場に行けば、常に新しい発見や出会いがある。新米記者の初出張ともなればなおさらだ。この間、各地で行われたスポーツ行事や、サマーキャンプ、教育現場などの取材を通じて同胞社会の「熱気」を肌で感じた。

 取材先では失敗談も多い。うっかりものの記者はよく物を失くす。約3週間の出張中に、携帯電話の充電器や帽子、カメラケース、マンションの鍵など多くのものを落とした。ある取材の帰り道、一カ月分の「労働対価」を失くしたことに気が付いたときには、さすがに頭が真っ白になった。

 大切なものを失った代わりに、得たものもまた大きい。

 不安の募った出張期間、現場で出会う同胞、関係者、先輩記者が向けてくれた真心や配慮にどれほど支えられたことか。

 同胞数が多くない沖縄で行われたインターハイでは、朝高関係者たちが遠くまでよく来てくれたと温かく迎え入れ記者の質問や提案に真摯に対応してくれた。「コンビニのごはんじゃあんまりだから」と食事の心配までしてくれる。また、ある現場の同胞たちは、「新報社トンムーここ取材してってよ!」と気さくに話しかけては、どんなインタビューにも真剣なまなざしで受け答えしてくれた。

 各地の同胞、関係者たちとのこうした触れ合いのなかで「朝鮮新報記者」としてのやりがいと、責任の重さをあらためて考える。うっかりものの記者をしっかりと受け止めてくれる、同胞社会の「声」になれれば。(周)

[朝鮮新報 2010.8.31]