「2010在日朝鮮人歴史・人権月間」東日本集会in横浜 |
過去を清算し、新たな100年を築こう 「2010在日朝鮮人歴史・人権月間」東日本集会in横浜「『韓国併合』100年 今こそ平和と友好に向けて」(主催=同実行委員会)が8月29日、横浜市の県立神奈川近代文学館ホールで行われ、日本市民、同胞ら120余人が参加した。会場では在日朝鮮人の歴史に関する写真展も開かれた。参加者は、日本の朝鮮に対する植民地支配を正当化する主張に警鐘を鳴らし、過去の歴史と今日の人権状況をしっかりみつめ、朝鮮と日本の平和と友好の新たな100年を築くために活動の輪をさらに広めていくことを誓い合った。
国交正常化は急務
集会は神奈川県朝鮮人強制連行真相調査団、市民団体、総連神奈川県本部などが共同で実行委員会を結成し開催した。主催者を代表してあいさつした朝鮮人強制連行真相調査団日本人側全国連絡協議会の寺尾光身共同代表は、「今日は『韓国併合条約』が発効されちょうど100年になる日だが、日本と朝鮮の間にいまだ国交がない。(朝鮮植民地支配に関して)日本が過去を清算することで両国の友好関係が生まれる」と呼びかけた。 来ひんメッセージの紹介に続き、19世紀末、国内外の政治に深くかかわり、ついには1895年、日本人の手によって殺害された明成皇后閔氏に関するDVDが上映された。 続いて、神奈川朝鮮学園オモニ会連絡会の孔連順代表が、在日朝鮮人の権利状況について話した。「在日1世の苦しみはまだなくならない。100年前から続く差別が今もあるが、『高校無償化』問題では日本市民が一緒にたたかってくれたことがうれしかった」などと述べた。 立教大学の石坂浩一准教授は、「朝鮮植民地化100年を機に日朝基本条約締結を」と題して講演した。石坂准教授は、日本の教科書には日本による明成皇后殺害に関する記述がほとんどないと指摘するなど、日朝間の過去の歴史について振り返った。植民地支配の歴史的意味、植民地支配に対する日本の責任放棄、「ゆがめられ断絶させられた日朝関係」などについて語った。排外主義を克服し、日朝平壌宣言に基づいて国交正常化への合意を形成することが急務だと指摘した。 真摯な反省と謝罪と 現在、神奈川では「日朝国交正常化を目指す神奈川県民の会」の結成準備が進められている。集会では「県民の会」準備会がさる3月に行った訪朝報告があった。報告者の岡本尚久さんはチュチェ思想塔、凱旋門など、平壌の数多くの名所を参観できたと述べ、「『県民の会』から12人が訪朝したが、朝鮮の人々がみんなよく勉強していることに感心した。北と南が統一したらすごい国になると思った。われわれ日本人のためにも日朝国交正常化が必要だと実感できた」と語った。 「高校無償化」問題に関する取り組みについて、「神奈川 朝鮮学園を支援する会」の佐々木克己事務局長が発言した。8月27日に「『高校無償化』からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の一員として、文科省を訪れ要請した内容などについて報告した。 集会では県下在住の同胞青年がアピール文を読み、拍手で採択された。アピールは「日本帝国主義の帝都防衛の要であり、アジアへの侵略の出撃地とされた」神奈川・横浜で集会を開催した意義について強調。日本が強制した「韓国併合条約」の無効性について確認し、植民地支配に起因する民族差別と「高校無償化」問題などでの人権侵害について指摘した。そして、「日本政府は日朝平壌宣言の原則に基づき、国交正常化交渉を再開し外交姿勢を転換し、真摯かつ明確な反省と謝罪を行うべきだ」と訴えた。 神奈川県朝鮮人強制連行真相調査団の原田章弘日本人側事務局長(調査団日本人側全国連絡協議会共同代表)は、「日本では新政権になっても朝鮮に対する差別が引き継がれている。日本と朝鮮半島の人々の間に残るわだかまりは日本の植民地支配、皇后暗殺などに起因する。歴史の真実を知らなければならない。併合から100年を機に日朝国交正常化をより強く主張していこう」と強調した。 福岡で全国集会 9月18〜19日には福岡で「2010在日朝鮮人歴史・人権月間」全国集会が開催される。総連福岡県本部と日本の市民団体が共同で実行委員会を結成し、準備を行っている。 全国集会では、朝鮮大学校図書館館長の康成銀教授が「国を失った日、朝鮮はなぜ植民地になったのか」と題して、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会の清水澄子代表が「今こそ平和と友好に向けて」と題して報告を行う。2日目には、多くの朝鮮人が強制連行された飯塚地方と犠牲者の遺骨が安置されている「無窮花堂」などへのフィールドワークも行われる。 石村善治実行委員長は、「『韓国併合』100年を機に、日本人と在日朝鮮人が歴史についてともに学習する場にしたい。多くの朝鮮人がいた福岡で全国集会を開催する意義は大きい。とくに若い人たちに歴史の事実を知ってもらいたい」と語る。(李東浩) 全国集会 日時=9月18〜19日 [朝鮮新報 2010.9.1] |