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〈心に残る言葉 2010年を振り返る〉 同胞青年の熱気で沸いたイベント会場から

「同胞社会の主役は私たち」

各地での行事は同胞社会の未来を担う同胞青年の熱気に包まれた。(写真は九州同胞青年祝典「KYフェスタ」)

 「同胞社会の主役は自分たち、若い世代なんだということを実感した祝典になった」

 11月21日、大阪朝鮮高級学校で開催された同胞青年祝典「ウリミレ・マトゥリ」で、北大阪青商会の金昌文幹事長が話した言葉だ。金さんは祝典を通じて「若い世代が情熱を持って同胞社会のために尽力するなら、できないことはないという確信を得た」という。

 関東地方の同胞青年たちを中心に約1万人が集まり盛大に行われた「ウリミレEXPO」(11月7日、東京朝鮮中高級学校)、九州朝鮮中高級学校での「KYフェスタ2010」(10月3日)、神戸朝鮮高級学校での「兵庫セセデフェスタ」(11月28日)をはじめ、今秋、同胞青年が企画したイベントが各地で相次いで開催された。

 各地では朝青、青商会、留学同、女性同盟の4団体が力を合わせ実行委員会を組織し、準備に奔走。若者らしい趣向を凝らした多彩かつ斬新な企画が催された。

 今年5月に行われた総連第22回全体大会報告では、「在日朝鮮人運動の新たな全盛期は、新しい世代が主役となり愛族愛国運動全般を活性化させるときに開かれる」と指摘された。

 今日、同胞社会で切実に求められていることは、明るい未来をいかに構想し、築いていくかということである。

 そのためには、1世のもとで育った2世とは民族的素養や成長の社会的背景が異なる3世、4世が、同胞社会をリードする存在になりえるのかということが大きなポイントになってくる。

 「ウリミレEXPO」実行委員会副委員長を務めた青商会中央の洪萬基副会長は、会場を埋め尽くした同胞青年たちの姿を眺めながら、「今日の祝典は『始まり』でしかない」と強調した。祝典を契機に青年たちがこれを起点にして何をしていくのか、ここに在日朝鮮人運動の未来がかかっているという意味だ。

 「豊かで笑顔あふれる同胞社会を築いていくための出発点と捉えたい」(洪副会長)という言葉は、各地のイベント会場でも耳にした。

 広島朝鮮初中高級学校で開催された「セセデフェスティバル2010」(11月23日)の準備期間中、朝青ではイベントの宣伝をかねて、同胞青年宅への訪問活動に力を注いだ。権鉉基委員長によると、準備期間に新たに30人近くの同胞青年と連絡を取るに至ったという。「イベントを通じて県内の朝青活動を活性化させようと試みた」と話す。

 一方、兵庫での祝典準備に汗を流した県青商会の趙寿來総務部長は、「みんなが集まる場がなければ同胞コミュニティーも弱くなってしまう。青商会や朝青は、同胞青年たちの受け皿だ。同胞たちを集めて、助け合える環境を作っていかなければならない。今日のイベントを、その契機にしたい」と語った。

 青年たちが同胞社会を担う責任感を共有するなら、全盛期は切り開かれる。今年の秋、各地の同胞青年祝典の会場で得た実感だ。(茂)

[朝鮮新報 2010.12.20]