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京都第1初級での「在特会」の騒動 京都、大阪で非難集会

「朝鮮人への民族差別を許すな!」

 京都朝鮮第1初級学校に昨年12月4日、「在特会」を名乗る一団が押しかけ、差別的な暴言を吐くなどの騒動を起こしたことと関連し、京都と大阪で12月22日と23日、これを非難する集会が行われた。日本の市民団体などが主催した集会では、今回の事件は日本社会の問題であり、日本人が解決しなければならない問題だということが指摘された。

■京都

600余人が参加した

 「朝鮮学校への攻撃を許さない! 12.22緊急集会−日本社会の排外主義を問う−」が12月22日、京都会館で行われ、同胞と日本市民ら600余人が参加した。

 集会ではまず、主催者を代表して「朝鮮学校を支える会・京滋」の仲尾宏共同代表があいさつ。先行きの見えない日本社会の不満のはけ口の矛先が社会的弱者や民族的マイノリティーに向けられていると述べながら、今回の事件の本質は自民族の優越性を過剰に意識するあまり、他民族を排除するところにあると指摘した。

 また、日本では差別が犯罪になっていないことが問題であり、個人、自治体、政府がこぞって取り組まないかぎり、差別はなくならないと強調した。

 そのうえで、今回の集会を日本社会をいかに共生社会にするかを考えるきっかけにしようと訴えた。

 集会では、中等教育実施60周年に際して作られた京都の民族教育を紹介するビデオと、事件当日の模様を収めたビデオが上映され、京都第1初級の高炳棋校長が当日の報告をした。

 高校長は、事件当日は京都、滋賀の初級学校生徒たちの交流会が行われており、あまりの怖さに泣き出す子どももいたと述べた。また、「『パチンコ疑惑』や拉致などがメディアで取り上げられるたびに朝鮮学校生徒への暴行などはあったが、それらの犯人たちには罪の意識があった。しかし、今回の事件ではそうした罪の意識がまったく感じられない。何よりも子どもたちがいる学校に押しかけてきたことに激しい憤りを覚える」と怒りを露にした。

 そのうえで、傷ついた子どもたちの心のケアを最優先に、二度とこのような事件が起きないよう、再発防止に努めると語った。

 続いて、同胞と日本市民らがそれぞれ発言した。

 発言者たちは、朝鮮人に対する排他意識は今も昔も本質的には変わっておらず、朝鮮学校は朝鮮人の魂を守る砦だと強調した。

 集会では激励の手紙が紹介されたのに続き、集会アピールが採択された。

 アピールは、在日朝鮮人とすべての移民、外国人が尊厳を保障され、共に生きていくことができる真の共生社会を作るために力を合わせようと訴えながら、「在特会」が二度と朝鮮学校を攻撃できないような状況を作り出していこうと訴えた。

■大阪

多くの同胞、日本市民が駆けつけた

 12.23緊急報告会in大阪「ヘイトクライムを許すな! 京都朝鮮学校事件が警告すること」が12月23日、大阪市の玉津会館で行われ、100人を超える同胞、日本市民らが参加した。

 集会では当時の模様を収めたビデオが上映されたのに続き、高炳棋校長が報告を行った。また、東京造形大学の前田朗教授が「ヘイトクライムとは何か」と題して講演した。

 続いて、会場からの発言があった。

 参加者たちは、「同じ日本人として恥ずかしい。地域住民の怒りを持って、彼らを包囲しよう」「今回の事件は、『表現の自由』という次元の話ではない。彼らを市民団体、政治団体として認めてはならない」などと語った。

 集会では、武村二三夫弁護士があいさつした。

 武村弁護士は、誇張された「北朝鮮の脅威」にみんなが流されるとともに、不満のはけ口としての外国人排除の動きが顕著になりつつあることに警鐘を鳴らしながら、まずは差別禁止法などを制定して差別を犯罪にしなければならないと強調。子どもたちの気持ちを傷つけるような「在特会」のような団体は断固として排撃しなければならないと強調した。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2010.1.12]