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各地に広がる科学フェスタ 科学の不思議に輝く瞳

見て、触って、感じて。

 2007年10月、神奈川朝鮮中高級学校で開催された初の科学フェスタを皮切りに、科学のおもしろさを体験しようとの理科教師と生徒たちによる取り組みが各地に広がりを見せている。昨年10月10日には、神奈川中高学区の初級学校などを対象に、第3回科学フェスタが行われた。11月13日には大阪朝高学区、同21日には愛知朝高学区でも同フェスタが行われた。 各地の模様を紹介する。

神奈川

ペットボトルロケット選手権大会の一場面

 神奈川では、総連中央・梁玉出教育局長はじめ神奈川、群馬、栃木、埼玉、東京から350人の児童らが参加した。

 フェスタを準備したのは神奈川中高と朝大教育学部の学生たち。実験とペットボトルロケット選手権大会は大いに盛り上がった。

 フェスタを取り仕切る中で中心的役割を果たした神奈川中高・高級部理数班の生徒たちは、過去2度の行事で得た教訓を生かし、おもしろく直観的な実験に留まらず、参加した児童らに実験の内容と原理をわかりやすく教えることに重点を置いて、体育館全体を大きな実験室に見立て、「通信の世界を調べてみよう」「遺伝子暗号を体験しよう」「結晶の不思議な世界」「象からウイルスまで」の4つのパビリオンを設けた。中級部生徒が準備した「ジャイロこま」「スライム」「風船爆弾」作りと「空気砲」体験も賑わいを見せていた。新年度から理数班をめざす高1の生徒らは、「雨粒浮遊実験」「ケルビン発電機」「錯覚コーナー」「巨大立体万華鏡」「偏光板の不思議な世界」の実験を展示・解説した。

 そして、前庭では高2の生徒らが初級部児童に最も人気がある、歩ける不思議な液体「ダイラタイシー」の実験を行った。朝大教育学部の学生らによる製作教室も子どもたちの注目を集めていた。

 ペットボトルロケット選手権大会には41チームが参加し、予選を通過した10チームと記録が良い2チームが準決勝に進んだ。決勝戦に進出したのは西東京第1と横浜の4チーム。結果、西東京第1の「飛べ 稲妻1号」が飛翔距離93メートルで優勝した。

大阪

偏向板をのぞく子どもの目は輝いている

 大阪では、神奈川での経験をヒントに昨年2月から準備にとりかかり、中級部の生徒らを対象に企画を練った。

 11月13日、大阪朝鮮文化会館に集まった420人の中級部生徒らは、東大阪朝鮮中級学校、北大阪朝鮮初中級学校、和歌山朝鮮初中級学校の少年団の分団別に16の実験を準備し、それらを解説したり、他の実験を見るなどして楽しいひとときを送った。

 また朝高に集まった少年団員らのために大阪朝高理数班の生徒らが、液体窒素、ドラム缶つぶし、コンデンサーの感電実験など5つの実験を成功させ、会場は大きな驚きと歓声に包まれた。

愛知

愛知朝高学区の理科教室は、初級部生徒たちのために中級部生徒たちが開催した

 愛知朝高学区の理科教室−Science Festival−は11月21日、岐阜朝鮮初中級学校で行われた。

 イベントには、同校生徒をはじめ愛知朝鮮中高級学校(中級部)、名古屋朝鮮初級学校、東春朝鮮初級学校、愛知朝鮮第7初級学校、豊橋朝鮮初級学校の6校から約240人が参加した。

 1部では中級部生徒が準備した理科教室を初級部生らが体験し、2部では初級学校対抗ペットボトルロケット競演大会が行われた。

 中級部生徒らはこの日に向けて、実験を初級部生徒たちにわかりやすく説明するための練習を重ねてきた。当日行われた3度の実験は全て成功し、初級部生徒たちから大絶賛を受けた。

 生徒たちは、実験の準備からはじまってその原理を体得する過程に、知識を身につけ、新たな発見もした。今回先輩たちの指示に従っていた下級生たちは、「来年は自分たちが主役になって、もっとおもしろくて不思議な実験を準備したい」と話した。

 また初級部生徒らは、5つの学校の児童らを混ぜて班割をし、ワークシートをもって楽しそうに理科教室に参加していた。

 「見て」「触って」「理科を感じた」子どもたちは、「来年も必ず参加したい」と話していた。

 各地に広がる科学フェスタは、子どもたちに科学に対する興味と探究心を抱かせるイベントとして年々発展している。日本各地の理科担当教員たちを中心に、今後は生徒はもとより学父母や同胞たちをも巻き込んで、皆が共に楽しめる場としてこの場を盛り上げていきたいと考えている。

 理科担当教員たちは現在、科学技術分野の最先端を突破して強盛大国建設へと進む朝鮮と歩調を合わせ、2012年にはすべての朝高学区で科学フェスタを開催することを構想している。今年は昨年にも増して多くの地域で科学フェスタが行われるだろう。

 読者のみなさんも一度参加してみてください。(神奈川・大阪・愛知理科担当教員)

[朝鮮新報 2010.1.22]