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東京第3初級・子育てセミナー 徐千夏さん 学童期、思春期を語る

「子どもと向き合う大切さ」

セミナーには、学父母をはじめとするたくさんの同胞たちが参加した

 学父母はじめ元学父母、教員などを対象に1月23日、東京朝鮮第3初級学校(東京・板橋区)で、セミナー「子育ての今、一番受けたい授業」が行われた。

 主催は同校オモニ会とオモニ会OB会。同校では、一昨年3月、オモニ会OB会を発足させ、2000年以降の歴代オモニ会会長らが第3初級学校の発展と地域との連携を強めることなどを目標に、引き続き子どもたちの給食や各種イベント、学父母向けの講演会などの企画に協力してきた。

 セミナーには、東京の板橋・豊島・練馬・北支部と埼玉西部支部の青商会と女性同盟、同校理事会が協賛し、学父母や元学父母、教員、同胞など75人が参加した。

「子どものサイン」

徐千夏さん

 講師として登場したのは、本紙「健康・家庭」欄で月1回「保健だより」を連載中の養護教員・徐千夏さん。徐さんは現在、尼崎朝鮮初中級学校、神戸朝鮮初中級学校の保健室講師として、たくさんの子どもたちと接している。

 徐さんは、朝大師範教育学部体育科(当時)を卒業後、朝鮮学校の初級部教師を経て養護教員になった経緯について語り、学童期から思春期に至る子どもの心の成長と子どもの気になる行動(サイン)について説明した。

 「保健室にいて感じることは、実はケガをしたといって駆け込んでくる子はあまりいなくて、誰にもいえない体のことや些細な悩みを打ち明けに来る子が多い」という。

 ある子はニキビに悩み、ある子は胸のことで悩んでいる。「親には言えない、友だちにも言えない」ことを、保健の先生に打ち明けてアドバイスを受ける。子どもたちは徐さんと話し終えると、明るい表情で保健室を出て行く。

 「思春期の子どもたちは、話を聞いてもらうことで安心感を得ている。体の不調を訴える子どもの背景には心理的なストレスや心配事が潜んでいることもある。保健室では子どもの話を聞くうえで、@観察A傾聴B確認C共感の4つを大切にしている。家庭でもぜひ、子どもの体調不良の背景に何があるのかを読み取る努力をしてもらいたい」

子育ての悩み

講演に聴き入る参加者たち

 セミナー後半、会場からはオモニたちの積極的な質問が相次いだ。

 ある女性は、中2の娘と初5、初3の息子との関わり方について尋ねた。

 −中2の娘は帰宅後、寝るまでの間、勉強や友だち、部活動のことをしゃべり続けている。親子関係が「友達化」しないようにするためにはどこまで介入するのが良いか。また、初5の息子は家ではベタベタと私にまとわりついてくる。ラインをどこで引けばよいのか教えてもらいたい。

 徐先生は、まず初級部の男の子について、「学童期はスキンシップにより愛情を確認し安心する。中学校に上がるまではスキンシップも重要」と話し、中級部の姉については「思春期は話を聞いてもらうことで安心感を得る」と説明したうえで、「子どもが求めてきたら、受け止めてあげる。スキンシップに関しては、人前でなかったら、などとラインを引いてみては」と助言した。

 主催者の一人である李準姫さん(オモニ会OB会代表)は、「以前、台東支部(東京)で聞いた徐先生の講演内容が実に良かった。第3初級学校の学父母や多くの人に聞いてもらいたいと思い、セミナーを企画した。これからも第3初級学校に関わる5つの支部に呼びかけて、学父母や同胞たちの学習の場を設けていきたい」と話した。(金潤順記者)

[朝鮮新報 2010.1.29]