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「高校無償化除外は不当な民族差別」 衆議院議員会館で記者会見

朝鮮学校関係者が発言

 「高校無償化」からの「朝鮮学校除外」の動きを憂慮する日本の人士らが衆議院第1議員会館で25日、記者会見を行った。(写真)

 会見では、朝鮮学校を支援する有志代表の菊池健一さん(神奈川朝鮮学園を支援する会)の司会のもと、学校法人・東京朝鮮学園の金順彦理事長、全国朝鮮高級学校校長会会長の慎吉雄・東京朝鮮中高級学校校長、そして3人の保護者らが発言した。

 基調発言をした金順彦理事長は、過去に、朝鮮半島情勢を口実に一部心ない人によって、何の罪もない生徒たちに対するチマ・チョゴリ事件や暴言、暴行が繰り返されてきたが、今回は、日本政府内で、政治的な理由により民族的差別をあからさまにする動きがあることを看過できないと述べた。

 また、朝鮮学校が民族的自覚と現代社会のニーズに合致した資質を養い、日本をはじめとする国際社会や地域社会の発展に貢献する人材を育てることを教育目標に掲げ、国籍や思想、信条、信仰の違いを問わず、すべての在日同胞の子どもたちを受け入れてきたと指摘した。そして、朝鮮高級学校が、日本の高等学校と同等の教育課程を有しているということは、日本のほぼすべての大学が朝鮮高級学校卒業生の受験資格を認めており、実際に国公立や私立大学に現役で進学している事実ひとつ見ても明らかだと強調した。

 さらに、各種学校としての認可を受け、地方自治体の指導、監督の下で運営している朝鮮学校を、恣意的な理由で「高校無償化」制度から意図的に除外することは、国際人権規約や日本国憲法の精神に反する不当な民族差別、人権侵害である主張した。

 最後に、子どもたちの未来が一時の政治情勢によって左右されることがあってはならないとしながら、今年の施政方針演説で「『人』を大事にする政策を実施する」と公言した鳩山首相がその理念のとおり、朝鮮学校に通う生徒の学習権が侵害されることのないよう、公正な判断を下すよう訴えた。

 慎吉雄校長が学校運営などの状況を説明したのに続き、神奈川朝鮮中高級学校オモニ会会長の孔連順さん、東京朝鮮中高級学校保護者の洪竜守さんと朴史鈴さんがそれぞれ心境を語りながら、教育権の平等を訴えた。

 質疑応答では、朝鮮学校の教科書とカリキュラム、学校運営の現状などが話された。

 朝鮮学校関係者らは、朝鮮学校の運営実態を理解するため政府関係者、国会議員などの学校訪問、授業参観などを歓迎する立場を表明した。

  「高校無償化法案」は25日、衆院本会議で審議入りした。

記者会見での発言要旨

[朝鮮新報 2010.2.26]