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「高校無償化」 日本人らが都内で緊急応援集会

差別なくすため協力を

「高校無償化」朝鮮学校への適用求め

 日本市民らが主催する「朝鮮学校を『高校無償化』から除外しないよう求める緊急応援集会」が12日、都内で開催され、都内の市・区議を含む日本人と、朝鮮学校関係者、同胞ら約400人が参加した。結論を先延ばしにした政府方針が報じられた中、参加者たちは「朝鮮学校外し」が不当であることをあらためて確認し、日本政府が適用を認めるよう共に声を挙げたたかうことを呼びかけた。東京朝鮮中高級学校の生徒、教員らは「自分の目で見てほしい」「直接話したい」と、鳩山首相の学校訪問を強く求めた。

「朝鮮学校外し」は違憲

朝鮮学校を「高校無償化」の対象から除外しないことを求め日本市民らが主催した緊急応援集会(12日、東京)

 集会を主催したのは、日朝友好促進東京議員連絡会、東京平和運動センター、東京−ピョンヤン友好交流会議の3者。関係者らは、集会に先立ち東京中高を視察、生徒らと歓談した。この日は、新聞、テレビなどで4月の制度開始時に朝鮮学校を無償化対象から除外し、第三者機関の審査を経た上で判断するという日本政府の方針が報じられていた。

 集会では、日朝友好促進東京議員連絡会の江口済三郎代表(中野区議会議員)と東京平和運動センターの本橋益男議長が主催者を代表しあいさつした。

 弁護士らは「朝鮮学校外し」が憲法違反であり、国際基準に照らしても人権侵害であると厳しく非難。朝鮮学校を外す「結論ありきの論法」が政府、文科省主導で遂行されていることの問題点を指摘した。

 市民団体の関係者、議員らは、新たな差別を生まぬよう朝鮮学校に対する理解を広め、日本政府が「自らの意志で」朝鮮学校を対象に含めるよう協力し働きかけていこうと呼びかけた。

 東京中高の生徒、保護者、教職員らは、民族の言葉や文化、歴史を「学びたい」「伝えたい」という当事者の率直な思いを述べた。

 集会では、朝鮮学校を除外しないよう求める鳩山首相、川端文部科学大臣あての決議が採択された。

「首相と直接話したい」

発言に熱心に耳を傾ける参加者たち

 東京中高卒業生の金舜植弁護士は、同級生らが日本の様々な分野で活躍し貢献していることに言及し、「学校の実態がわからない」ということはないと指摘。都が1965年文部事務次官通達を覆し朝鮮大学校を各種学校として認可したように、地方が憲法の精神に基づいた対応で政府を突き動かせればと述べた。

 都内のある労働組合関係者は「子どもを政治の道具にしていて恥ずかしい。日本にはいろんな国の人が暮らしているが、そうした人たちを国が差別し分断することを許してはいけない」、公立学校教員は「子どもたちには差別をなくし共生するよう教えているが、今回の問題をどう説明すればいいのか。とてもショックだ」としながらも、「日本は民主主義の社会。下からでもできることをしていこう」と呼びかけた。

 東京オモニ会連絡会の朴史玲さんは、「親の願いは、子どもたちが夢や希望に満ちた環境で育ってほしいということ。なのに、生徒たちがこうした差別問題に取り組まざるをえなくなるとは思いもしなかった。私たちが受けた差別を子どもたちには受けさせたくない」と訴えた。

 東京中高の朴寿姫さん(高2)は「両親は、民族の歴史や風習を学び朝鮮人としての誇りを持ってほしいという願いから、共働きで苦労しながらも私を朝鮮学校に入れてくれた。私たち在日朝鮮人がこの学校でどのように教育を受け学校生活を送っているのか、鳩山首相に直接話したい」と述べた。

 慎吉雄校長は、同校の歴史と教育理念、日本の大学を含む高い進学状況、カリキュラムや財務の都への報告実績、スポーツ公式戦の会場指定など、すでに「高校」として扱われている現状を強調。「本校には年間1万人以上の市民が訪れている。開かれているのでいつでも学校に来てほしい。鳩山首相も直接、自分の目で見てほしい」と訴えた。

[朝鮮新報 2010.3.13]