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「高校無償化」 各地でさまざまな取り組み

「無償化」除外は言語道断

 「高校無償化」と関連し、各地で引き続きさまざまな取り組みが行われている。

■広島

広島では街頭宣伝も行なわれた

 学校法人広島朝鮮学園の李兌炯理事長と広島朝鮮初中高級学校の李一烈校長をはじめとする代表らが5日、広島市役所で記者会見を行った。

 席上、李兌炯理事長は、広島朝鮮学園は創立以来、多くの卒業生を輩出し同胞社会はもちろん日本をはじめとする国際社会のあらゆる分野で活躍していると指摘。鳩山首相は今年の施政方針演説で示した理念どおり、朝鮮学校に通う生徒たちの学習権が侵害されることがないよう、公正な判断をするよう求めた。

 李一烈校長は、政権交代で新しい変化を期待していたにもかかわらず、「無償化」から朝鮮学校を除外する動きが出ていることに関し強い憤りを覚えると述べながら、同校に通う生徒も、日本学校に通う生徒と同じ高校生だと強調した。

 「日朝友好広島県民の会」の横間洋海事務局長は、広島県がすでに同校を各種学校ではあるが一条校に順ずる学校だとの見解を発表していることに触れながら、国際人権規約や日弁連などが指摘するように、重大な人権侵害になりかねないと述べた。

 同日、同校生徒と教職員、保護者や日本人士、総連の活動家ら約100人はJR広島駅で街頭宣伝と署名活動を行った。とくに、高級部の生徒たちが先頭に立って市民に呼びかけ、多くの市民から激励された。

 この日、1時間半の街頭宣伝でビラを4500枚配り、592人の署名を集めた。

 一方、8日には「朝鮮高級学校の無償化適用を求める広島県緊急集会」が広島初中高で開かれ、160余人が参加した。

 集会では李兌炯理事長が談話を発表したのに続き、「広島県民の会」の横間洋海事務局長、保護者で司法書士の呂民愛さん、「民族教育の未来を考える・ネットワーク広島」の村上敏代表、生徒代表の黄希奈さんが発言した。

 集会では、李一烈校長が集会参加者の名で鳩山首相と川端文科省に送る要請書を要請団が手渡すことについて提案し、満場一致で可決された。

 終了後、すべての参加者が鳩山首相と川端文科相あての署名用紙と要請はがきに署名した。【広島初中高】

■兵庫

 兵庫県民族教育対策委員会と兵庫朝鮮学園が共催する「高等学校無償化から朝鮮学校を除外することに反対する兵庫県同胞緊急集会」が6日行われ、同胞と日本市民ら400余人が参加した。

 集会では、衆議院文部科学委員会の一行が東京朝鮮中高級学校を訪問したことを報じるニュースを編集した映像が上映された。

 続いて、兵庫朝鮮学園の朴成必理事長が基調報告を行い、「日朝友好兵庫県民の会」の杉田哲幹事長、「日朝関係を考える神戸ネットワーク」の高橋秀典代表、宝塚市議会の北野聡子議員があいさつ。「無償化」から朝鮮学校を除外することは言語道断であり、決して許せないものだと述べながら、すべてをかけてたたかっていくと語った。

 また、神戸朝鮮高級学校の黄成鶴校長、総連須磨垂水支部の李昌一委員長らが討論した。

 集会では、鳩山首相と川端文科相、小沢幹事長あての要請書が採択された。

 要請書は11日、要請団によって民主党の広野ただし副幹事長に手渡された。【兵庫支局】

■愛知

愛知県庁を訪れた一行

 愛知朝鮮学園の文光喜理事長と愛知朝鮮中高級学校の黄判坤校長をはじめとする代表が10日、愛知県庁を訪問し、「無償化」の対象から朝鮮学校を除外しないよう求める要請活動を行った。

 一行は、2日に行われた署名活動などで集めた4539人の署名を民主党愛知県総支部連合会の杉岡和明幹事長を通じて鳩山首相と文部科学省に提出した。

 席上、同校の朴鐘勲さん(高2)は、「この署名には生徒と保護者、同胞、多くの日本の人たちの気持ちが込められている」と話した。

 杉岡幹事長は、「教育を受ける権利や平等の原則はすべての人の共通認識。一度学校を訪問してみたい」と述べながら、署名と要請内容を党本部に伝えると話した。【愛知中高】

[朝鮮新報 2010.3.15]