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「高校無償化」 人権協会関係者ら 国連特別報告者と意見交換

 衆議院議員会館で23日、在日朝鮮人人権協会関係者とブスタマンテ国連特別報告者による意見交換会が行われた。人権協会関係者らは意見交換会で、「高校無償化」から朝鮮学校を排除しようとする日本政府の姿勢を説明し、その不当性を訴えた。

 国連人権理事会には世界各国の人権を促進、保護するためのさまざまなシステムがある。特別報告者は特定の人権テーマや特定の国の人権状況について調査を行い、国連人権理事会に年次報告書を提出するなどの任務を担っている。ブスタマンテ氏は、移住者の人権に関する調査を担当している。

 意見交換会では、昨年12月「在特会」を名乗る一団が京都朝鮮第1初級学校に押しかけ、差別的発言を吐くなどの騒動を起こした場面がビデオ映像で流された。その後、朝鮮大学校の廉文成助教が発言した。

 廉助教は日本の植民地支配によって発生した在日朝鮮人問題の歴史的経緯について言及し、今も日本社会に根強い民族排他の風潮について語った。

 そして祖国解放後、奪われた言葉と歴史、文化を子どもたちに教えるために在日朝鮮人が始めた民族教育の歴史を紹介し、日本の学校と比べても遜色ない教育課程で運営される朝鮮学校に対して日本政府が差別的な施政を行っていることを説明した。

 意見交換会では政治問題を口実に「無償化」から朝鮮学校だけを外そうとする主張の不当性に焦点があてられた。廉助教は「無償化」排除論について、朝鮮と日本の非正常な関係を背景にしており、日本社会に潜在する朝鮮に対する敵愾心、蔑視の感情を政治的に利用したものだと指摘した。

 国連人権理事会は過去にも在日朝鮮人の民族教育と関連して日本政府に勧告を出した。2008年の勧告は朝鮮学校に対する助成の拡大、卒業生の大学入学資格に認定などの問題に言及した。

 「無償化」問題と関連しては、すでに国連人種差別撤廃委員会が対日審査報告書(16日)で朝鮮学校への差別的処遇に対して懸念を表明している。

[朝鮮新報 2010.3.26]