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「高校無償化」 東京・新宿で日本市民らが街頭宣伝

「無償化」問題を口実にした政治弾圧

足を止めて話を聞く通行人に訴えかけるメンバーら

 「無償化」から朝鮮学校を除外することに反対して16日、「ヘイトスピーチに反対する会」が東京・新宿駅周辺で街頭宣伝を行った。10余人のメンバーらは、今回の事態は「高校無償化」問題を口実にした在日朝鮮人に対する政治弾圧だと訴え、ビラを配った。

 「ヘイトスピーチに反対する会」は、民族排外主義に反対し活動している日本市民の団体で、20〜40代の学生、労働者、出版業者などの各階層のメンバーで構成されている。定期的に勉強会を開き、そこで議論された内容をインターネットを通じ発信し、集会や街頭宣伝も随時行っている。

 会が結成されたのは、昨年の4月。当時、埼玉県蕨市に暮らしていた在フィリピン人一家の強制退去問題が生じていて、「在特会」がこの問題を悪用し、在日外国人たちを「犯罪者」と冒とくし、民族排他の風潮を助成しようとしていた。この現実を重く受け止めた市民たちが、こうした流れに反対の声をあげ、行動に移そうと結成された。

「無償化」除外の不当性を訴えスピーチを行うメンバー

 この日、多くの通行人たちが彼らの声に耳を傾けていた。

 「反対する会」発起人の一人である柏崎正憲さん(26、大学院生)は、「私たちとともに暮らしているマイノリティー、弱者たちを敵対視し、排斥しようとする動きは、この国のマジョリティーである日本人にとっても決して望ましいことではない。街に出て、市民たちに事態の深刻さを知らせなければならない」と語り、次のように付け加えた。

 「『高校無償化』制度から朝鮮学校を外すことは、容認しがたい差別である。日本政府がこの問題を口実に、総連に対する政治弾圧を強行しようとしていることは断じて許せない。朝鮮に対する市民の敵対感情をいっそう駆り立て、過去の植民地清算の責任をもみ消そうとする企図がある。私たちの力は大きくないが、政府の動向を厳しく監視し、ブログや街頭宣伝を通じてきちんと不当性を訴えていきたい」(裕)

[朝鮮新報 2010.3.29]