朝鮮大学校同窓会第8回総会 同胞社会に喜びと力を |
第10回「朝鮮大学校同窓会奨励賞」授賞式も
朝鮮大学校同窓会第8回総会と第10回「朝鮮大学校同窓会奨励賞」授賞式が4月24日、東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷で行われ、総連中央の許宗萬責任副議長、梁玉出教育局長、朝大の張炳泰学長、朴英植理事長、朝大同窓会の朴忠佑会長など、約100人が参加した。 総会では、許宗萬責任副議長があいさつをし、朴忠佑会長が第7期活動報告を行った。続いて、財政決算報告と第8期役員が選出された。新会長には白陽来さん(政経12期)が選ばれた。 総会に先立ち、同じ場所で「朝大同窓会奨励賞」授賞式が行われた。同奨励賞は、会員たちの中で学術・技術・文学芸術・スポーツ・教育分野など在日同胞社会で著しい功績を上げた個人と集団に授与されてきた。 第10回受賞者には、朝鮮大学校創立50周年記念映画「星の流るるせせらぎの辺で」を制作した、文学部連合同窓会映画制作委員会と、全国高等学校ラグビーフットボール大会でベスト4に入り、全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会で準優勝した、大阪朝鮮高級学校ラグビー部監督の呉英吉さんが選ばれた。 同奨励賞は、2001年の初回から第10回まで22人と1つの団体に授与された。受賞者たちに朴忠佑会長が、賞牌と賞金を手渡した。受賞者たちの声を紹介する。
文学連合同窓会映画制作委員会
映画「星の流るるせせらぎの辺で」の監督をつとめた朝大文学歴史学部の金正浩教授(文学25期)は、「上映開始から今日までの1年間、宣伝活動を繰り返し、各地でたくさんの方に評価をしていただき、こうして受賞できたことに意義があると思う。この映画に関わったみなと喜びを分かち合いたいと思う」と述べた。 「制作中は、スタッフの日程を合わせるのが難しく、はじめは焦りでいっぱいだった。そうした悪条件の中でもなんとか無事撮影を終えられた。朝大生と卒業生の力のすごさをしみじみと感じた」「映画が各支部や学校で上映されることにより、ひとつの場に多くの同胞や日本人が集まって映画を共有できたことも一つの魅力だ。これからはより多くの人に見てもらえるようDVD化し、引き続き同胞たちや学生、日本の方々にも宣伝していきたい」と話した。 撮影を担当した映画製作所の閔憲碩さん(政経28期)は、「連合同窓会で同級生たちが認めてくれたのが何よりもうれしい。映画の撮影をするのは初めてだったが、みんなで一緒に学べたことが良かった。各地域の支部などを利用して、多くの日本人にも見てもらい、民族教育の素晴らしさを理解してもらいたい。映画が朝・日親善に役立てばうれしい」と話した。 群馬朝鮮初中級学校教員の李暎姫さん(リエ役、文歴語文学科51期)は、「撮影過程はわからないことばかりだったので、こんなに大ごとになるとは思わなかった。自分自身、演じるのが好きなので楽しく撮影に臨めた。多くの人たちの協力により完成した映画が奨励賞に選ばれて驚きと喜びでいっぱいだ」と述べた。 主人公のチョンソン役を演じた殷日洙さん(同)は神奈川朝鮮中高級学校で生徒指導に当たっている。「映画のテーマでもある、在日である自分がどういう存在なのか、自分の複雑なルーツを見つけるために日々悩み考えるよう、生徒たちにも話している。自分自身、映画を通じて改めて自分の存在について考えるようになった。生徒たちと一緒に悩み、考えていきたい」と語った。
大阪朝高ラグビー部監督 呉英吉さん
朝鮮大学校師範教育学部体育科(当時)を卒業して、教職につき23年目を迎えた。初級部の頃から野球やサッカーに親しみ、高級部からラグビーをはじめた。 ラグビーにおいては人並みはずれた運動能力を発揮して、現在も教員のかたわら、大阪朝鮮闘球団の選手として活躍中。「在日本朝鮮人闘球選手権大会」で連続最優秀選手賞に輝く実力の持ち主でもある。「大好きなスポーツを活かせる教員になりたい」と夢を描いたのは中級部の頃。朝大時代は班長としてクラスをまとめる牽引役を果たした。 1988年4月から念願通り大阪朝鮮高級学校の教員に。生徒たちとスポーツを通して向き合う中、身体・精神・道徳面での子どもたちの成長にも力を入れてきた。 とくに生徒たちには、「どんな団体競技も身体能力だけで勝つことはできない」と話している。日本の公式戦に向けては、朝鮮学校の生徒だけが持ちうるモチベーションを常に強調してきた。日常的にも、「部活にだけ力を入れてはダメ。ラグビーの技術や技量に加えて、学習と朝青活動を通して、自発性や団結力も身につけなくては」と話している。 受賞については、「うれしい反面、今後は教え子たちの多くを朝大に送れるようよりいっそう努めたい」と力を込めた。生徒たちには自身の朝大時代とその後の教員生活を通して得た人脈が人生の宝と、朝大の魅力について語っている。 そして、「競技の成果は、個人の力で成しえたものではない。監督としてチームを受け持ったのは4年前から。前任者の功績は大きい。生徒や保護者、卒業生、同胞の力あってこその成果である」と話す。 全国大会と選抜大会では、東京・神奈川・埼玉・茨城など関東の人々の熱い声援を受けて、生徒とともに大きな力を得た。 「私たちは『大阪』だけの代表ではない。全国のウリハッキョの代表として試合に臨むと生徒に話した。各地から集まった同胞大応援団が声をからして応援してくれたあの光景はまさにそれを実感させるものだった。全国3位、選抜2位。残すは全国制覇。1月7日、新しい旗をなびかせ、同胞たちに力を与えられるよう、これからも生徒たちを育てていく。期待してほしい」と熱く語った。(文=金潤順、尹梨奈、写真=盧琴順記者) [朝鮮新報 2010.5.7] |