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〈続 おぎオンマの子育て日記-@-〉 あれから8年

 8年前「子育て日記」を1年間連載させていただいた。色あせた当時の新報を読み返してみた。今年と同じサッカーW杯の開催年だった。南代表の躍進に歓喜し、家族で近所の居酒屋に繰り出した。生後4カ月のミリョンを抱っこバンドで抱いたままで祝杯をあげた。その時分、サンホは真剣に消防車やヘリコプターになりたいと望んでいた。今はサッカー選手になることを夢見ている。プロ選手が無理ならサッカーのコーチか蹴球部の先生。今年はW杯の北南同時出場や在日選手の活躍で歓喜し、夏にはコマチュック大会で先輩に続いて2連覇を達成して喜び合いたいものだ。

イラスト:崔麗淳

 8年前はまた、「朝・日平壌宣言」が発表された年だ。1年生だったチユニの帰宅時間直前、テレビのニュースで拉致のことを知った。チユニが帰ると、ミリョンをおぶりサンホとチユニにバケツを持たせて、近所の小川に沢ガニを捕りに出かけた。熱心に探したのに、その日に限って1匹も捕れなかった。洪水のように押し寄せた拉致報道に在日朝鮮人として成長する子どもたちの将来に一抹の不安を感じつつ朝鮮人としての自分を肯定できる人間に育てたいと、そのときに考えはじめた。この春、中3になったチユニは、3度の飯と同じくらい学校が好きで吹奏楽部が好きである。「初級部2年の終わり頃、急に目が覚めたみたいに学校の仕組みがわかった」と証言する3月生まれのおっとりやさんだ。それでも歴史や社会について学び、考え、その時々に自らの考えを発信し続けることを求められる在日朝鮮人としての生き方を、苦にしている様子はない。

 8年前も両親だけが子どもを育てていたわけではないが、今はあの時よりもはるかに多くの人に育てられている。ウリハッキョにとって受難の時ではあるが、これを機にまた一つ成長するに違いない。

 「君が代丸」に乗って済州島を離れ、6年前に大阪で亡くなった義母も、大阪府知事には「こら!」と腹を立てているに違いない。子どもたちはハンマニのそんな姿が想像できるくらい大きくなった。(李明玉)

[朝鮮新報 2010.6.4]