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「高校無償化」 神戸朝高の生徒たち 街頭署名 一日で4044人分

 神戸朝鮮高級学校の生徒たちが6月23日、朝鮮学校への「高校無償化」即時適用を求め、兵庫県内6カ所でいっせいに街頭宣伝と署名活動を行い、4044人分の署名を集めた。3年生が祖国を訪問しているなかで、1、2年生たちは「私たちの力で無償化を必ず勝ち取ろう」と心を一つにして活動した。生徒たちの熱い気持ちは、道行く日本市民の心をつかんだ。

熱い訴え、温かい激励

 生徒たちは、自分たちで作った横断幕、呼びかけ板、署名板を手に立花(写真)、西宮(写真)、三宮、新長田、垂水、明石の6カ所で宣伝ビラを配り、署名を集めた。

 生徒たちの訴えは、多くの市民の心に響き賛同を集めた。地域朝青の同胞青年たちも激励に訪れた。

 西宮で活動した全誉任さん(2年)は、一部の人が朝鮮学校への「無償化」適用に反対していることについてある日本市民が「同じ日本人として怒りを覚える」「君たちは偉い」と言ってくれたことがうれしくて涙を流しながら、「無償化」を勝ち取る決意をさらに固めた。

 垂水で活動した金美鈴さん(1年)と沈揆晶さん(2年)は、声を枯らして訴える生徒たちにパンを差し入れしてくれた日本市民の好意に力を得て、それぞれ100人分の署名を集めた。

 新長田で活動した趙尚樹さん(2年)は、ベンチに腰掛ける市民に近づき、膝を折って熱心に事情を説明していた(写真)。これを見た周りの市民たちがすすんで署名に協力する一幕も見られた。

 「神戸新聞」から取材を受けていた李美蘭さん(1年)は「日本人から暴言を受け傷つき、通学路で怖い思いをすることもあったが、今日こうして私たちを激励してくれる人たちのおかげで恐怖心はなくなり、感謝の心でいっぱいになった」と述べた。

 生徒たちは、通行人を「一人も逃さない」という思いで熱心に活動した。こうした情熱が伝わり、数時間で4044人分の署名を集めることとなった。4月末から集めた署名は、計1万3383人分だ。

 部活で試合をした相手の高校生や自宅近所の住民からも集めた。用紙を配って集めた署名を学校に届けてくれた日本市民もいた。

 生徒たちはこう口をそろえる。

 「私たちの正当な権利は、座って待っていてもらえるものではなく、私たちの力で勝ち取らなくてはいけない。日本市民の温かい誠意と激励により、立派な朝鮮学生になろうという思いでいっぱいだ」【神戸朝高】

[朝鮮新報 2010.6.30]