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夏休み、教員たちの講習会 授業のスキルアップへ

中級部英語教員講習 内省通して授業の質向上を

グループディスカッションでは授業の検証をした

 中級部英語教員講習には、日本各地の中級部英語教員をはじめ、朝鮮大学校外国語学部教授、学友書房職員、大阪朝鮮高級学校および神戸朝鮮高級学校の英語教員など30人が参加した。

 講習では、@授業の全過程を内省し、改善の契機とするA資質向上の重要性を実践的に知ることを目的とした。

 初日は、伊達民和・プール学院大学教授による講義とワークショップEnglish intonation in context=i文脈上での英語のイントネーション)が行われた。英語のリスニングとスピーキング技能の育成が求められる中、ウリハッキョの教材を用いて、教員たちは熱心にイントネーションの練習をした。 また、マイクロティーチングでは、中1グループで3単現S、中2グループはto不定詞、中3グループは関係代名詞の授業を行い、グループディスカッションを通じて授業を検証、改善点を見出し授業のスキルアップを図った。

 他にも、宋迎花教員(東京朝鮮第4初中級学校)の研究授業、文敏実教員(神戸朝鮮初中級学校)の「教育研究論文の作成法」のモデル授業、学友書房の文美子部長の「現行の中級部英語教科書の分析」についての説明が行われ、中級部生の海外研修参加についても活発な意見交換が行われた。

 講習に参加した李伽耶教員(愛知朝鮮中高級学校)は「授業に対する客観的な評価と助言をもらって、課題を見出せた。いろんな教員の多様な教授法についても学べた」と話し、今年4月から教壇に立ちはじめた趙貞雅教員(埼玉朝鮮初中級学校)は、「葛藤続きの1学期を終えて、講習を通して自分が民族教育を担う一員であることを再確認した」と感想を述べた。(英語教員講習実行委員会)

中高級部理科教員講習 科学的思考力を育てる授業研究

実験に集中する教員たち

 中高級部理科教員たちの講習には、日本各地の中高級部理科担当教員と朝鮮大学校理工学部および教育学部の教員、同研究院生、学友書房職員など40人が参加した。

 過去5年間、同講習会では、教材に基づいて教科書の内容をわかりやすく教えるための授業研究、手軽な材料を使った実験の工夫などに力を注いできた。また、教員たちの責任感と役割を高めるため「民族教育の展望」「教員の任務」「最先端理論」についての講演と討論、授業で即効性のある実践内容などについて取り上げてきた。昨年からは生徒たちの科学的思考力を意識的に育てるための方法論についての研究も深めている。

 今年は、@理科教育を通して育てる力(科学的思考力、論理性、自然観)についての共通認識A科学的思考力を育てる授業実践B理科教育研究に関する統一テーマの追求C各地理科教員のネットワークを活用し、理科教育の水準を一段階向上させることを目的とした。

 講習では、在日本朝鮮人科学技術協会黄附^会長が「経済強国建設で創造された科学技術の成果」について講演し、強盛大国を目指す朝鮮の科学技術の発展と経済建設での成果、体系的な人材育成に関する資料などを基に具体的に話した。

 また昨年に続けて行われた「科学的思考力」に関する講義とモデル授業を通して、参加者たちは「科学的思考力」に対するより具体的なイメージをつかみ、授業を通して子どもたちの思考力をいかに育てるかという目標をもって授業の準備をする必要性をかみ締めた。

 講習では今年も創意工夫を発揮した8つのユニークな実験観察が行われた。すべての実験が楽しく、発見に満ちていて、参加者たちは「講習で学んだ内容を積極的に授業に取り入れていきたい」と話した。(理科教員講習実行委員会)

情報教育担当教員講習会 「他校実践、わが校にも」

教員のスキルアップも肝心だ

 初中高級学校の情報教育担当教員と、学内IT環境の管理者たちを対象に、「情報教育担当教員講習会」が開かれ、日本各地から24人が参加した。

 1日目は、講義「在日とウリナラIT機関との関わり」(李相春・在日本朝鮮人科学技術協会ICT専門委員会委員長)、「在日同胞IT産業と展望」(金成太・在日本朝鮮青年商工会IT部会会長)が行われ、科学技術の趨勢と今後の情報処理技術者に必要なスキルや人間性などについて話し合われた。また、朝鮮大学校の河民一教員の「OS赤い星」についての講義は、参加者たちの注目を集めた。

 2日目は、情報授業での問題点や教員たちの悩みについて意見が交わされ、授業の到達度、情報処理科目の方向性が話し合われた他、低学年から情報教育を実践してきた岐阜朝鮮初中級学校(崔玲姫先生)の取り組みが紹介され、他校でも行うべきと高く評価された。

 また、初中高級部の連携やすべての学校で一定レベルを保つことなど、今後の課題と対策が話し合われた。

 和歌山朝鮮初中級学校の金勇一教員は、「在日朝鮮人の科学技術の歴史を学べた。民族教育発展のため、教員、科協、青商会が協力できれば」と話し、千葉朝鮮初中級学校の朴成太教員は、「低学年から情報教育を取り入れていることに驚き、わが校でも試してみようと思った」と述べた。

 四日市朝鮮初中級学校の李得誠教員は、「日頃他校の先生とは話す機会がないので、意見交換のよい場になった」と語った。

 講習を通して参加教員たちは、今後も授業経験の共有などに情報を交換しながら、民族教育の発展に力をつくす決意を固めた。(情報教員講習実行委員会)

[朝鮮新報 2010.9.24]