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「高校無償化」 院内集会 外国人学校の指定基準受け

勉強会では、朝高生たちが思いを述べた。

 「高校実質無償化における朝鮮高校の取り扱いに関する勉強会」(呼びかけ=神奈川 朝鮮学園を支える会、日本朝鮮学術教育交流協会)が9月30日、東京・永田町の衆院第一会館で開かれた。5回目となる同勉強会では、「高等学校の課程に類する課程」を置く外国人学校に関する基準などが定められたことをふまえて行なわれた。会では、国会議員と朝鮮学校の生徒および保護者、その他関係者たちが発言した。

 8月31日、文科省は5月に設置された「高等学校就学支援金の支給に関する検討会議」による外国人学校の指定に関する基準などについての報告を発表した。それによると、朝鮮学校は「高等学校の課程に類する過程」として満たすべき基準、審査体制などをクリアしており、「無償化」の対象に十分当てはまる。また、報告の中では▼個々の具体的な内容については基準としない▼外交上の配慮などにより判断すべきものではないなどとしている。しかし、未だ政府の結論は先送りにされたままである。

 会では、2人の朝高生が思いを述べた。

 神奈川朝鮮中高級学校の曹舜太さん(高3)は、日本各地の朝高生たちが取り組んできた「無償化」運動について言及しながら、朝鮮学校の生徒たちは1、2世たちが築き守ってきた大切な財産である朝鮮学校の中で朝鮮人としての誇りを胸に堂々と学校生活を送っていると語った。「『無償化』問題が解決されるまで活動していく。それは我々の権利のため、そして朝・日の友好と未来のための活動だ」と語った。

 東京朝鮮中高級学校の宋英起さん(同)は、「なぜ教育と政治を絡めて考えるのかわからない。いずれにしろ私たちの主張は正当だと確信している」と述べ、運動の過程で朝鮮学校を支持する日本市民が多いことを知り、在日朝鮮人としての自覚が確固たるものになっていったと話した。「権利を勝ち取って笑顔になるのは生徒たちだけではない。共に声をあげてきたみんなが笑顔になれるよう、『無償化』実現に向けたたかっていく」。

 また、生徒らの保護者や関係者たちの発言があった。

 東京朝高に子どもを通わせている尹京蘭さん(46)は、朝鮮学校は「高等学校の課程に類する課程」の基準に当てはまるのにどうして適用されないのか、政府が子どもの学ぶ権利を奪うことなどできないと指摘しながら、「差別の中で良い感情は決して生まれない。首相が『東アジアの平和のために尽力する』と言ったならば、朝鮮を敵視してはならない。『最小不幸の国』とうたっているが、『無償化』からの朝鮮学校除外によってここに一つ不幸が生まれる」と訴えた。

 会には、民主党の石田芳弘衆院議員、緒方林太郎衆院議員、瑞慶覧長敏衆院議員が参席した。

 会は、最後まで諦めずに声を上げ続け、必ず「無償化」を勝ち取ろうという参加者たちの意見をまとめて閉会した。(姜裕香)

[朝鮮新報 2010.10.2]