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新年、活気あふれる平壌 人民生活向上へ一丸

 2012年に「強盛大国の大門を開く」という目標を掲げている朝鮮は今年、経済復興戦略の照準を人民生活の向上に定めた。元日の3紙共同社説は「経済分野での成果が人びとに実質的に還元されなければならない」とし、人民生活で決定的な転換を図ることについて強調している。また、昨年末に講じられた貨幣交換措置によって、年明けから人びとの生活には肯定的な変化が起こっている。

食の問題解決を重視

市民であふれ返る西平壌百貨店前

 近年、国内では生活必需品の生産を大々的に増やすための対策が講じられてきた。生産施設の現代化を押し進めて、全国の工場をフル稼働させた。

 今年の3紙共同社説は、「農業生産において目ざましい成果がもたらされ、紡織工業や食品加工業など軽工業部門の生産の土台と潜在力が著しく強化された」と昨年の成果に言及している。

 現在、衣食住における問題の解決に向けた意欲的な計画が関係各部門で進められている。とくに、食の問題解決において成果が相次いでいる。

 昨年、金正日総書記の現地指導を機に全国の注目を集めた三日浦特産物工場は、食料工業部門の新たなモデルになっている。

 同工場は国産原料に基づいて麺類、食用油、糖菓類、お茶、魚類加工品など350種類あまりの食品を製造している。同工場が上げた成果は、自前の原材料をうまく利用すれば食料工業を飛躍的に発展させることができるという自信を関係者らに植えつけた。昨年、道ごとに三日浦特産物工場のような工場が建てられた。

 すでに稼動している食品工場でも技術革新が推し進められている。平壌基礎食品工場などでは、国産原料をより効果的に使いながら品種を増やす研究が行われている。

 一方、国家科学院の軽工業科学分院をはじめとする研究機関でも成果を上げている。また、各地のヤギ牧場では乳製品の生産を増やすための取り組みも進められている。

 このような取り組みを行政レベルで支援するための措置も講じられた。昨年、軽工業省内の一セクションだった食糧日用工業部門が省に昇格。食糧日用工業省の関係者は、今回の措置が「食の問題を解決し、軽工業の発展を日用品生産の実績につなげていくためのもの」だと説明する。

にぎわうデパート

購入した商品を手にするリ・ジョンスンさん(写真中央)一家

 昨年の軽工業部門、とくに生活必需品生産における成果は、元日から平壌市内の百貨店などで現れた。

 市内の商業施設はこの日から営業を開始。デパートでは食品、日用品、衣類、家具、電化製品などの国産製品が貨幣交換措置後の新たな価格で販売された。

 凱旋門近くの西平壌百貨店は朝10時の開店と同時に混雑した。ロ・ヨンスク支配人(54)は、「毎年初めの開店日は混むが、今年は商品の入荷数が例年よりも多く、昨年末に貨幣交換措置があったことで来客数が大幅に増えた。価格が調整されて商品を買い求めやすくなったようだ」と混雑の理由を分析する。

 家族連れで訪れたリ・ジョンスンさん(29)は、「価格が大幅に下がったので、買いたい物をたくさん買える」と話した。

 昨年11月30日から12月6日まで、朝鮮中央銀行が発行する新貨幣と旧貨幣との交換が全土でいっせいに行われた。その目的について中央銀行の関係者は、「貨幣の流通を円滑にすることで社会主義経済強国の建設に拍車をかけ、勤労者層の利益を守り、彼らの生活を向上させることにある」と本紙記者との会見で明らかにしている。

 中区域にある市内最大の百貨店、平壌第1百貨店も朝7時半から営業を始めた。従業員らは前日夜から明け方まで開店準備に追われていた。深夜1時ごろから客が店頭に並ぶのを見て、当初午前10時に予定していた開店時間を早めたという。

 チョン・ミョンオク支配人(53)によると、昨年12月22日から1週間で440余種、400万個の商品を入荷した。その結果、第1百貨店には商品があふれ、多くの市民でにぎわった。客足が途切れることはなく、午後3時にいったん入場が制限された。

 チョン支配人によると、農民や炭鉱夫などの肉体労働従事者が高収入層だ。

 百貨店を訪れたある農場員の家庭は、家族全員が農業に従事した結果、世帯全体の収入が145万ウォンに達したという。協同農場では1年の仕事を終えると、年間の実績に応じて分配が行われる。農場で育てた作物をもらう現物分配と現金分配の2つがある。現物分配で受け取った農作物を国が買い上げれば、追加の現金収入が生まれる。145万ウォンはこのようにして生まれた額だ。

 兄弟山区域の農場で働くリ・クムオクさん(47)は昨年末、新貨幣で5万ウォンの現金分配を受け取った。今回、以前は5千〜7千ウォンした毛布を新価格の1500ウォンで購入した。

 三石区域のホナム農場で働くリ・ファスクさん(44)もテレビと冷蔵庫、布団などを買った。「米と豚肉を買って、熙川発電所建設現場への支援物資にしたい」と話す。

 平壌第1百貨店では午前中に国産テレビが155台、毛布が550枚売れた。国産品の価格は、テレビ1台が1万〜3万ウォン、毛布1枚1500〜3千ウォン、平壌焼酎1本(360ml)60ウォン、お菓子1袋10〜35ウォン、インサムクリーム1個35ウォン、ノート1冊5〜15ウォン、食器1皿50〜60ウォンなど。日用品の価格が下がり、高級品の価格は据え置き、もしくは上昇したという。

 元日の3紙共同社説は、昨年の成果に基づき今年も生活必需品の生産を大幅に増やすべきだと呼びかけた。年始から食糧日用品工業省傘下の工場、企業所はフル稼働。労働者、経営幹部らは今年の生産計画達成に向けて一丸となっている。

[朝鮮新報 2010.1.12]