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朝鮮メディア 引き続き北南関係改善の意志表明

「報復宣言」の後も一貫

 朝鮮は、当年の政策とその方向性を示す新年恒例の3紙共同社説で、南当局に北南対話と関係改善の道に踏み出すことを呼びかけ、民族和解・協力事業の推進を強調した。これに続いて国内のメディアは年初から、「北南関係改善は時代の差し迫った要求」(労働新聞8日付)、「全民族の団結は祖国統一の決定的保証」(労働新聞12日付)などと題する記事を掲載し、積極的な関係改善の意思を表明している。北の「急変事態」に備えた「非常統治計画−復興」を南当局が作成したことに反発し、北の国防委員会は「報復聖戦」を開始すると宣言(15日)したが、北南関係改善を目指す論調に変わりはない。一方、北南関係の急な悪化が憂慮されたが、現実的には北南間の交流と対話は継続している。

 「報復宣言」直後の労働新聞18日付は、「不正常な北南関係は早急に転換されるべきだ」と題する論説を掲載し、「民間団体が北南関係解決のために動けば、さまざまな複雑な問題が間接的に解決される」と、民間交流を奨励する立場を示唆していた。一方、北侵戦争演習に関しては、「民族の志向に逆行する容認できない犯罪行為」(民主朝鮮20日付)だと厳しく非難している。

 「報復宣言」直後に発表された北の公式メディアの論調からはとくに、現在の北の立場を読み取ることができる。最近の各紙論調の要旨を紹介する。

不正常な北南関係の転換を

 昨年、歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言の精神にのっとって民族の和解と団結、国の統一を成し遂げようとするわれわれの積極的な努力にもかかわらず、北南関係が悪化の状態から脱皮できなかったのは、南朝鮮当局の旧態依然とした反統一的な対決策動にある。

 南朝鮮当局は口先では北南の関係改善について関心があるかのように騒ぎ立てたが、実際はそれを快く思わず、外部勢力と結託して同族対決騒動をかつてなく強化した。

 北南関係を改善しようとする意志がなければ、北と南は結局、どんな問題も解決できない。昨年、北南間に何らまともな対話も、協力や交流もなかったのは、南朝鮮当局のこうした関係改善意志の欠如にその重要な原因がある。

 南朝鮮の執権勢力が北南関係を当局の独占物と見なして民間を排除し、各界団体のわれわれとの接触と交流を犯罪視したのも許しがたいことである。

 民間団体が北南関係解決のために動けば、さまざまな複雑な問題が間接的に解決される。

 時代の要請に合致しない不正常な北南関係は、早急に転換されなければならない。

 そのためには、南朝鮮当局が北南関係に対する正しい姿勢と立場に立って関係改善のための道にちゅうちょすることなく踏み出さなければならない。北南関係の前途は、全的に南朝鮮当局の態度にかかっている。(労働新聞18日付論説)

団結で6.15時代の流れを

 北と南、海外の全ての民族は、祖国統一大行進を力強く推し進めることにより、2010年を統一運動史に特筆すべき歴史的な年として輝かしく飾らなければならない。

 過去10年間を通じて朝鮮民族は、祖国統一を成し遂げるその日まで変わることなく高く掲げなければならない唯一無二の自主統一大綱、必勝の旗印として北南共同宣言の正当性と生活力を胸に深くきざんだ。

 6.15統一時代が切り開いた自主統一、平和繁栄の道を引き続きつないでいくためには、何よりも、これを妨げる内外の分裂主義勢力に反対する闘いを力強く繰り広げなければならない。

 反統一策動を粉砕する闘争がなければ、6.15統一時代にわが民族が成し遂げた祖国統一運動の貴重な成果が抹殺されるであろう。反統一の挑戦を退け、6.15統一時代の前進を力強く推進することは切迫した要求だ。

 ここでは、「わが民族同士」の旗印のもとで北と南、海外の連帯連合、全民族の大団結を実現することが重要だ。全民族の大団結強化は、統一愛国勢力が分裂主義勢力を圧倒し、祖国統一運動を強化発展させるための根本の担保となる。

 6.15統一時代の前進を妨げようとする分裂主義勢力の策動は悪らつだが、北南共同宣言を履行し、自主統一と民族繁栄を成し遂げようとする民族の志向と意志は曲げられないし、統一愛国勢力が分裂主義勢力を圧倒し勝利するのは必然だ。(労働新聞20日付論説)

北侵戦争騒動は改善を妨害

 11〜15日まで南朝鮮陸軍第26機械化歩兵師団が「戦闘能力向上」の口実のもと、京畿道一帯で野外機動訓練を強行した。戦車をはじめとする重装備と多くの兵力が動員された訓練では昼夜間射撃演習まで行われた。

 これは民族の和解と団結、北南関係改善を妨げ、緊張を激化させる故意の戦争騒動である。

 民族の和解と団結を成し遂げ、北南関係を改善するためには何よりも対決と戦争騒動が根絶されなければならない。

 相手を脅かし、侵すための銃声・砲声がひびく中で民族の和解と団結は成し遂げられないし、北南関係が改善されないというのは自明の理である。

 南朝鮮好戦勢力が北侵戦争騒動に血眼になって狂奔しているのは、何としてでも民族の和解と団結、北南関係改善を遮り、情勢を戦争の瀬戸際へ追い込もうとする腹黒い下心の発露である。これは、同胞の志向に逆行する許しがたい犯罪行為だ。

 民族の和解と団結、北南関係改善は同胞の一致した志向である。

 しかし南朝鮮当局は、昨年と同じく新年にも民族の志向に背いて北南関係悪化と同族対決、北侵戦争の道を引き続き疾走している。

 歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言に基づいて北南関係を改善し、祖国統一の前途を切り開こうとする朝鮮の立場には終始一貫、変わりがない。

 しかし、北南共同宣言に反して同族を害しようと狂奔している好戦勢力にまで善意をほどこすことはできない。火は火でもって制するのがわが軍隊と人民の気質である。

 南朝鮮当局は、北侵戦争策動が招く結果について熟考し、分別をもって行動すべきである。(民主朝鮮20日付論評)

[朝鮮新報 2010.1.22]