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現地指導、ポイントは「生活改善」 「社会主義守った人民に良い生活を」

 最近、朝鮮では人民生活で一連の変化が起きている。このような現象は昨年以降の金正日総書記の現地指導と深く関連している。

各地に食品工場

朝鮮各地の軽工業工場では日用品の増産に力を注いでいる(平壌日用品工場) [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 最近、朝鮮各地で食料工場が相次いで建設されている。昨年、白雲山総合食料工場(咸鏡南道)をはじめ各地に食料加工工場が建設された。その他にも現在、多くの地域の食品工場が操業を目前にしている。

 食品工業部門では国内の原材料に基づく製品開発で大きな成果が挙がっている。その契機となったのが昨年4月、総書記の三日浦特産物工場(平壌)への視察だ。国産原料100%でさまざまな食料加工品を製造する同工場を高く評価した。以降、同工場は食料加工部門における新たなモデルとなり、同様の工場が各地に建設されるようになった。

 また、総書記は昨年11月、朝鮮人民が昔から食べてきた伝統料理の一つである各種のチャンアチ(野菜を塩やしょうゆ、みそなどで漬けた総菜)を工業的方法で生産する石井チャンアチ工場を指導した。その際には、各道にこのような工場を多く建設して人民の生活の向上に資するようにしなければならないと強調している。

 今年の共同社説は、人民生活に「画期的転換」をもたらすことを目標に掲げた。毎年元旦に発表される共同社説には1年の国策の方針が提示されており、この内容に沿ってすべての国家事業が展開される。

 今年のように、人民生活の改善といった具体的で明確な目標が提示されたのは近年になかったことだ。

「最短期間で解決を」

共同社説の各課題に応じてポスターが作られた。「人民生活で決定的転換を」と書かれている [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 「現在、わが国は政治思想面では言うことなく、軍事面でも強国の地位にのぼった。しかし、人民生活での問題点は少なくない…私は最短期間で人民生活問題を解決し、人民が誰をうらやむことなく豊かに暮らすことに関する主席の遺訓を必ず貫徹する」

 労働新聞1月9日付は、このような総書記の発言を引用紹介した。同紙によると、この発言は昨年、「雪の吹きすさぶ強行軍の路上」でのものだという。

 昨年以降、総書記の活動の特徴のひとつが住環境整備や食料部門、スポーツ・娯楽関連など実際の人民生活と関わりのある対象への指導が相次いでいることだ。これらは重工業の確固たる発展基盤に基づいている。

 朝鮮は金日成主席の生誕100周年にあたる2012年に「強盛大国の大門を開く」という構想を打ち出した。この構想が初めて公となった全国知識人大会(07年11月30日〜12月1日)では「経済問題、人民生活問題の解決に力を注ぎ、この分野を高い水準に引き上げてこそ強盛大国の大門を開いたといえる」(崔泰福・朝鮮労働党書記の報告)と規定している。

 総書記の視察スタイルは人民生活の各分野での「モデル」を作りだし、その方式や経験を全国に一般化するものだ。

 労働新聞はさらに、人民生活の向上を目指す総書記の心境をこう代弁している。

 「『苦難の行軍』(90年代後半の経済停滞期)の時期に、草の根っこで空腹を満たしながら社会主義を最後まで守った人民たちにどんな高い代償を払ってでも、人のうらやむようなすばらしい生活条件を一日も早く与えなくてはいけない、という思いで強行軍を行っている」

初売りに行列

 本紙平壌支局によると、年始から人民生活のさまざまな場面で変化を伺うことができるという。デパートの初売りには長蛇の列ができた。

 昨年末、新通貨が発行された。国内需要を満たすための軽工業製品の増産にも力を注いでいる。

 工場や企業所の生産ラインの設備刷新や技術改良は、総書記が近年、現地指導の際に強調していた問題だ。

 愛国カラーテレビ組立工場のキム・ビョングァン支配人によると、同工場は昨年、流れ作業式の生産工程を新たに設置し、最大で年間30万台で以前の3倍の生産能力をもった。最近、大量生産態勢に突入し、百貨店での需要はすべて生産可能だと断言している。

 一方、昨年9月29日に総書記が現地指導した大同江食料工場の新製品も変化を示す実例のひとつだ。

 去年操業した同工場で生産される製品は「平壌酒」(30度、40度)、「平壌焼酎」(25度)の2種類。おなじみの「平壌焼酎」とは、名前は同じだが銘柄は異なる。

 チョ・ヒョンチョル支配人によると、総書記は工場建設の費用から立地選定にいたる諸問題の解決に便宜をはかり、同工場を酒類生産における国内トップクラスの「モデル工場」に仕立てた。

 現地で「平壌酒」を試飲した総書記は、その味を高く評価し、製品を低価格で人民に広く供給することを指示した。

 前述の労働新聞は、「経済強国建設、これは結局、人民生活を画期的に向上させることに目的がある」と指摘した。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2010.2.3]