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〈2010年迎春の集い〉 感動呼んだ在日朝鮮学生少年芸術団

引き継がれる民族の魂

 【平壌発=李泰鎬記者】旧正月を迎えた14日、平壌市学生少年たちの迎春の集いが市内の劇場で行われた。

105人が心一つに

在日朝鮮学生少年芸術団の舞台 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 今回60回目を迎えた迎春の集いで在日朝鮮学生少年芸術団が披露した作品「総書記に会いたくて来ました」は、24年前、在日朝鮮学生たちが初めて迎春の集いに参加した時(1986年12月31日)の演目「主席に会いたくて来ました」を基にして作られた。

 日本各地の朝鮮学校初級部5年生から中級部2年生までの生徒105人(舞踊担当85人とナレーション担当20人)で構成された在日朝鮮学生少年芸術団は今回、86年の公演を収録したビデオを繰り返し見ながら、自分たちの思いを20数年前の出演者の思いに重ねて練習に打ち込み、この日の本番を迎えた。

 「正月の雪よ、柔らかい正月の雪よ」

 張秀奈さん(四国朝鮮初中級学校中級部2年)の独唱による歌声が響いた瞬間、客席では感激の連鎖が始まった。

 異国の地で育った在日同胞の子どもたちが祖国の懐、金日成主席の懐に抱かれた喜びをうたったこの歌は、朝鮮の人びとの間でも知られている名曲だ。眼鏡を取って涙を拭う人、すすり泣く人など客席は涙で包まれた。

 85人の生徒たちによる優雅な踊りは覧客の注目を集めた。

 また、20人の生徒たちによる語りも観客席を感動の渦に巻き込んだ。

 彼らは、異国の地日本でも祖国があるおかげで何の心配もなく思う存分学んでいると堂々と語った。

平壌大劇場前広場で民俗遊戯に興じる生徒たち

 出演した生徒たちは日本で生まれ育った4世、5世だ。彼らが総連の担い手として生きていく誓いを披露すると、会場からは大きな拍手が鳴り響いた。

 メインナレーターを務めた都智愛さん(愛知朝鮮中高級学校中級部2年)は、「私たちが日本で朝鮮人としての誇りを失わずに生きていくことは奇跡のようなことだと思う。私たちが祖国で受けた大きな愛情に対する感謝の思いを舞台の上で表現した」と話した。

 舞踊の主人公を務めた金美玲さん(東京朝鮮中高級学校中級部2年)は、「大役を演じられるか心配だったが、友人や先生たちが応援してくれたので、自分の全力を出し切ってやり遂げることができた」と感想を述べた。

 3年前に続いての出演となった邵基允さん(東大阪朝鮮中級学校2年)も、「感情をうまく表現できて、舞台を楽しむことができた。公演を見た人びとに喜びを与えることができてうれしい」と語った。

 舞踊に出演した宋慶姫さん(神戸朝鮮初中級学校初級部6年)と申舜芽さん(横浜朝鮮初級学校6年)は、「新しい友だちもできたし、朝鮮舞踊のいろいろな動作も学べた」と今回の祖国訪問の意義を強調した。

 生徒たちは公演を成功させるために祖国と総連、在日同胞に関する歴史をあらためて勉強した。強盛大国建設に取り組む祖国の人びとの姿からも多くを学んだ。

 生徒たちを引率し、舞踊指導も行った東大阪朝鮮中級学校の金美甫教員(24)は、「生徒たちは本当によくやってくれた。105人全員が心を一つにして公演を成功させることができた」と語った。

 迎春の集いが終わった後、生徒たちの宿泊先である平壌ホテルでは彼らの生活を実の母親、兄弟のように世話してくれた従業員たちと祖国に滞在中の在日同胞が公演の成果を祝福した。

 ホテルの食堂では旧正月を祝う餅つきと宴会が行われた。また、生徒たちはホテル従業員とともに平壌大劇場前の広場で民俗遊戯を楽しんだ。

 在日朝鮮学生少年芸術団は23日まで祖国に滞在する。迎春の集いの後も数回公演に出演し、平壌市内の名所も参観した。

[朝鮮新報 2010.2.19]