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6.15発表10周年 節目の年 統一運動活性化へ

「2000年の熱気」再現を

 【平壌発=李相英記者】6.15北南共同宣言発表10周年を迎える6月に向けて北と南、海外の統一運動勢力の活動が本格化している。既報のように、今月7、8の両日、平壌で6.15共同宣言実践民族共同委員会(以下、6.15民族共同委員会)の北、南、海外側委員会委員長会議が開かれ、宣言発表10周年を記念する3者共同行事を開催することで正式に合意した。

共同宣言の意義

6.15共同宣言発表10周年を記念する民族共同行事が準備されている(写真は05年、平壌で行われた民族統一大祭典)

 2000年6月、平壌で実現した分断史上初となる北南首脳の対面と6.15共同宣言の発表は半世紀以上にわたって続いてきた北南間の不信と対決に終止符を打ち、民族的和解と団結、統一の新たな時代を開く歴史的出来事だった。6.15宣言の誕生によって、北南関係と祖国統一運動で過去には想像もできなかった画期的な成果が相次いで達成されたのは周知の事実だ。

 常設の統一運動連帯機構である6.15民族共同委員会を中心に、北、南、海外の統一運動勢力は、6.15宣言の意義をあらためて強調し民族の和解と団結、統一への機運をいっそう高める絶好の機会として10周年という節目を重視している。

 さきの委員長会議で3者の代表は今年初めて一堂に会した。同会議では、宣言発表10周年にあたる今年に「民族和解と団結、祖国統一の新たな局面を開くための実践的課題」(会議報道文)が話し合われた。とくに、10周年記念の民族共同行事をどのように執り行うかという問題が集中的に取り扱われた。

 これに先立って3者の代表らは昨年12月、中国・瀋陽で会議を開き、宣言発表10周年を民族共同行事で記念することで見解の一致を見ている。

 今回の会議ではさらに踏み込んだ表現で、「北南共同宣言を支持する北、南、海外のすべての政党、団体と各界の人士が幅広く参加する民族共同行事を盛大に開催することで合意した」と発表された。当局者や政治家の出席も念頭に置いた、文字通りの民族共同行事だ。

 10周年という節目をどのように迎えるかという問題は、最近の北南関係および祖国統一運動を取り巻く情勢から見ても一段と重要な意味を帯びている。

 08年、南朝鮮の李明博政権発足後、北南共同宣言の履行は困難に直面している。

 昨年8月以降、北側は一連の積極的な措置を講じて、悪化した北南関係の改善と統一運動の新局面を開くため誠意ある努力を傾けた。その結果、両者の間に対話の雰囲気が醸成され、さまざまなレベルの公式、非公式接触が行われた。

 しかし李明博政権の反北・対決政策によって、関係改善の流れは定着しなかった。6.15、10.4両宣言を否定し、米国など外部勢力との結託を強め、政治・軍事的対決をあおる同政権の対北政策の基調は今年に入っても変化の兆しは見られない。今月8日からは、米国と南朝鮮によるキー・リゾルブ、フォールイーグル合同軍事演習が実施されるなど、朝鮮半島情勢の緊張は高まっている。

南当局は政策転換を

7、8の両日平壌で行われた6.15民族共同委員会の北、南、海外側委員長会議

 10年前の6月、平壌で誕生した6.15宣言の精神にしたがって、その時の歓喜と統一への熱気を今一度朝鮮半島全土で呼び起こそうというのが、宣言発表10周年を間近に控えた北と南、海外の統一運動勢力の思いだ。

 節目の年に北南関係が大きく動き、統一運動が活性化するという流れは5年前にも前例がある。

 05年6月、宣言発表5周年を記念して平壌で開催された民族統一大祝典には、初めて北南双方の当局者らも参加。5周年を飾るにふさわしい規模で盛大に行われた。

 当時、金正日総書記が祝典に参加した南側人士らと相次いで会見し、祝典閉幕直後には1年以上中断されていた閣僚級会談が再開されるなど、北南関係は一挙に大きく前進した。後に「第2の6.15」と呼ばれることになるこの流れはさらに、同年7月からの6者会談再開と9.19共同声明発表という朝鮮半島核問題における一大転機につながった。

 2010年が持つ意味合いは5年前よりもさらに重い。

 北側は元日の3紙共同社説で、今年を「自主統一の新たな局面を開く年」として輝かそうと呼びかけた。さらに、1月26日の6.15北側委員会総会で採択されたアピールは、強盛大国の扉を開く2012年を「自主統一と平和・繁栄の一大里程標」にしようと訴えた。そして、今年を「祖国統一の大門を開くための転換の年」にすべきだと強調した。

 6月15日まであと3カ月弱。近いうちに3者共同行事の開催地が決まり、地域別の記念行事に向けた準備も始まる。さきの委員長会議では、6月15日に向けて宣言履行の雰囲気を盛り上げるために北南間の分野別、階層別共同行事を行うことも決まった。

 南側委員会は今月4日に民族共同行事準備委員会の発足を発表。さらに、10周年記念事業に対する大衆レベルでの取り組みにも力を注いでいる。

 一連の10周年記念事業を成功させるうえで焦点は南朝鮮当局の対応だ。北南関係を悪化させ統一運動勢力に対する弾圧を続けるかぎり、事態の進展はおぼつかない。

 委員長会議に出席した海外側委員会の関係者は、「李政権が北南共同宣言を尊重し、それを履行する道に進むことが重要だ。統一運動勢力の団結した力で南朝鮮当局の政策転換を導き、運動の新たな局面を切り開いていくことが強く求められている」と話した。

[朝鮮新報 2010.3.24]