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朝鮮中央通信社が備忘録発表

非核化プロセス破たん 米・南の合同軍事演習

 朝鮮中央通信社は16日、「米国と南朝鮮当局は朝鮮半島の平和と非核化プロセスを破たんさせた責任から逃れられない」と題する備忘録を発表した。3つの体系で構成されている備忘録は、▼キー・リゾルブ、フォールイーグル合同軍事演習(3月8〜18日)の侵略性▼制度圧殺だけを追求してきた米国の敵対政策▼それに追従する南朝鮮当局の親米、対決策動を暴露、断罪した。備忘録は前文で、米国と南朝鮮当局が合同軍事演習を実施したことに言及し、「この無謀な核戦争騒動で朝鮮半島の平和と非核化プロセスが再び破たんに陥った」と指摘した。

「定例演習」は、き弁

 体系1では、キー・リゾルブ、フォールイーグル合同軍事演習が朝鮮に反対する侵略的核実験戦争、核の脅威の頂点であり、朝鮮半島の非核化に対する全面否定であると指摘した。

 備忘録は、この合同軍事演習が「定例的」で攻撃的性格を帯びない「防御訓練」にすぎないので問題になるものがないという米国と南朝鮮当局の主張は、強盗行為も毎年働けば正当なものになるという破廉恥なき弁だと非難した。

 そして、朝鮮と米国は停戦状態、事実上の戦争状態にあるとしながら、食うか食われるかの命懸けの戦場で、交戦の一方の敵対国が目前で繰り広げる演習を「定例的なもの」であるので傍観しなければならないというのは、どこにも通じない常識外れの見解だと指摘した。

 また、国際社会が朝鮮半島の平和を求め、非核化のための関係諸国の動きが再び活気を帯びようとしている時に、核戦争騒動でそれに真っ向から挑戦するのは、朝鮮半島の平和を破壊して非核化を阻み、何らかの不純な目的を達成しようとする意図的な行為だと指摘した。

変わりない敵視政策

 体系2では、米国が歴史的に朝鮮との関係で自主権尊重に基づいた問題の解決ではなく、制度圧殺だけを追求してきたと指摘し、現政権も変わりないと強調した。

 備忘録は次のように指摘した。

 「米国の現民主党政府は、就任前から対朝鮮政策で『変化』を提唱した。しかし、それは虚構にすぎなかった。

 ロケットに衛星を搭載すれば人工衛星になり、弾頭を搭載すればミサイルになるが、だからと言って人工衛星の打ち上げを問題視せよという法は世界にない。

 米国が『光明星2号』の打ち上げをミサイルの発射であると大騒ぎして国際的な制裁の雰囲気を鼓吹するのを見てわれわれは、現政府もわれわれのする事がうまくいくことを願わず、対朝鮮敵視政策では前政府と違いがないことを知るようになった」

 備忘録は、米国が主張する6者会談を通じた非核化は、朝鮮を会談のテーブルに引き留め、その裏でわれわれの制度抹殺の陰謀を実現するためのものにすぎないと一蹴した。

 備忘録は、昨年、米国が非核化のための会談再開を請託し続けるので、まず朝米会談を行ってみて米国が朝鮮を圧殺しようとする意図を改めたのか確かめた後、多者会談にも臨む意向を明らかにする「最大の雅量」を示したと明らかにした。新年には、平和協定締結で戦争状態に終止符を打ち、信頼を築いて非核化をはじめ朝米間の諸問題の解決を前進させることに関する提案も打ち出したと指摘。しかし、米国は合同軍事演習で核の脅威を極大化し、朝鮮大豊国際投資グループと国家開発銀行の活動に嫉妬して経済制裁のさらなる強化に進んでいると非難した。

 備忘録は、朝鮮の制度と偉業を抹殺しようとする不純な企図を取りやめないかぎり、非核化のプロセスは前進を遂げられなくなっていると強調した。

南の対決策動

 体系3では、「先核放棄」を唱えながら核問題の解決に混乱と障害をきたしてきた南朝鮮当局の親米事大、体制対決策動を非難した。

 備忘録は、核問題はあくまでも朝鮮と米国が対座して解決する問題であり、米国の核の傘の下で暮らす哀れなかいらいにすぎない南朝鮮当局が介入する問題ではないとしながら、南朝鮮当局が核問題と北南関係問題で口癖のように唱える「真心」を示すなら、核問題の根源である米国の核の脅威をなくすために立ち上がるべきであると主張した。

 備忘録は、南朝鮮当局が6者会談に代わる「5者会談開催案」、「先核放棄」に基づいた「グランドバーゲン」を提唱し混乱を招いて主人(米国)にまで軽蔑されたと強調した。

 また、南朝鮮当局が「制度統一」の妄想にとらわれ非核化を妨害し、反民族的な核戦争騒動に狂奔する限り、北南関係は改善されないし、朝鮮半島核問題の解決のための環境も醸成されないと指摘した。

 最後に備忘録は、戦争か平和かという最も根本的な問題を抜きにして、朝鮮半島問題のいかなる解決も期待できないとしながら、米国は、核問題の軍事的・政治的根源である朝米間の戦争状態、敵対関係を解消して信頼を築くための実質的な措置を講じなければならないと主張した。

[朝鮮新報 2010.3.24]