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朝鮮外務省備忘録発表 「核兵器、必要以上つくらない」

核保有の経緯、意義なども説明

 朝鮮外務省は21日、「朝鮮半島と核」と題する備忘録を発表し、「われわれは、必要なだけ核兵器を生産するが、核軍備競争に参加したり核兵器を必要以上に過剰生産したりしないであろうし、ほかの核保有国と同等の立場で国際的な核軍縮の努力に参加するであろう」と強調した。

 備忘録は朝鮮の核兵器の使命について、「朝鮮半島と世界の非核化が実現されるまでの期間に国と民族への侵略と攻撃を抑止、撃退するところにある」と規定し、「核保有国と結託してわれわれに反対する侵略や攻撃に加担しない限り、非核国家に対して核兵器を使用したり、核兵器で脅かしたりしない政策を変わりなく堅持している」と指摘した。

 また、「ほかの核保有国と平等な立場で国際的な核拡散防止と核物質の安全管理の努力に合流する用意がある」「6者会談の再開いかんにかかわりなく、今後も朝鮮半島と世界の非核化のために終始一貫した努力を傾けていく」との立場を表明した。

 朝鮮で言う備忘録とは、外交文書のひとつで、重要問題の真相を歴史的かつ体系的に明らかにしながら、それに対する立場を表明する文献だ。

 今回の発表動機について備忘録は、「朝鮮半島の非核化の本質を正確に理解し、その実現方途を正しく見いだすには、まず第一に朝鮮半島が核化された経緯と根源から正確に認識することが必須だ」と指摘。朝鮮戦争(1950〜53年)の時からこんにちまで米国が朝鮮に核の脅威を加え続けてきたことについて詳細に記し、米国の核の脅威を除去するための朝鮮政府の努力についても記述している。

 備忘録は、対話を通じた努力、国際法に基づいた努力もすべて水泡に帰したとしながら、「残された最後の選択は唯一、『核には核で』対抗することだけであった」と、核保有の必要性を説明した。

 また、2003年1月10日の核拡散防止条約(NPT)脱退表明後から3年後の06年10月と09年5月に核実験を行ったことに触れ、「これによって核兵器と核の傘で覆われ、朝鮮だけが唯一の核の空白地帯として残っていた東北アジア地域の核の不均衡な状態は終わることとなった」「朝鮮の核保有が持つ抑止効果により、朝鮮半島での戦争勃発の危険は顕著に縮小された」と意義と強調。朝鮮の核保有が「現段階での米国の核の脅威除去の努力」だと指摘した。

 備忘録は、朝鮮半島に恒久平和体制を樹立し、非核化を実現する朝鮮政府の立場は不変だと指摘。朝鮮半島非核化の実現は信頼醸成を必要としているとしながら、平和協定締結の必要性をあらためて強調した。

[朝鮮新報 2010.4.26]