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哨戒艦沈没問題 真相究明求め再度通知文 朝鮮国防委

「南の言うとおりなら検閲団受け入れぬ理由ない」

 朝鮮国防委員会は20日、南朝鮮当局が哨戒艦「天安」号沈没事件を北と結びつける調査結果を発表したことに対して、国防委員会検閲団を南朝鮮の現地に派遣する立場を表明するスポークスマン声明を発表した。これに伴い同日、南側に、週末に検閲団を送るとする通知文を送った。これに対して南側は21日、検閲団は受け入れらないとする回答を北側に送った。国防委員会の金永春人民武力部長は22日、南側に再び通知文を送り、「南側が言うとおり調査結果が客観的で科学的なら検閲団を受け入れぬ理由はない」としながら、南側が即時、検閲団受け入れの措置を講じるようあらためて求めた。

「世界の面前に真実を」

 南側は21日の回答で、軍事停戦委員会の調査後に北と国連軍司令部との会談を開催するとの見解を示し、検閲団受け入れを拒否した。

 これに対して通知文は、「事件発生当初からわれわれと結びつけたのは南側であり、『合同調査結果報告』を前後してわれわれとの対決を公言したのも南側だ」としながら、「今回の事件は南側によって北南の問題としてねつ造されたものである。これに『軍事停戦委員会』という幽霊機構を持ち出す何の名分もない」と指摘した(※1991年3月25日、米国が停戦協定関連問題を扱う何の資格も権限もない南朝鮮軍将官を軍事停戦委員会米国側首席委員に任命したことにより、北は軍事停戦委員会は有名無実化したとの認識)。

 そして通知文は、「不可侵に関する北南基本合意書の第2章10条とその付属合意書の第2章8条の要求に照らし合わせても、南側は当然、検閲団を受け入れる措置を講じなければならない」と主張した。

 北南基本合意書の第2章10条には「北と南は意見対立と紛争問題を対話と協議を通じて平和的に解決する」と明記され、付属合意書の第2章8条には「北と南はどちらかの一方が不可侵の履行と遵守のための同合意書を違反した場合、共同調査をしなければならず、違反事件に対する責任を究明し、再発防止対策を講じる」と明記されている。

 通知文は、南当局は検閲団を無条件に受け入れ、世界の面前に真実を明かさなければならないと強調した。

調査結果に疑問の声

 南朝鮮市民の間では、20日発表された調査結果が「つじつまが合わない」として疑問の声があがっている。

 南朝鮮国防部会議室で行われた調査結果の記者会見では、朝鮮西海で引き上げたとする「魚雷残骸物」が公開された。この大きさと形が「北が輸出する目的で配布した魚雷紹介資料の設計図」に描かれているものと同じだと説明した。しかし、常識的に、貿易取引用のパンフレットに軍事機密である詳細な設計図面を載せるはずがない、との疑問が指摘されている。

 また、物議をかもしたのは、「残骸物」にサインペンで書かれたと見られる「1番」という文字だ。水中で爆発した魚雷にこのような文字がそのまま残るのかという疑問とともに、だれでも書けるような文字が「決定的証拠」とする主張を疑問視する声が広がった。

 さらに、「北の魚雷攻撃」と断定しながらも、調査団は魚雷を発射したとする潜水艦の侵入経路をきちんと示せなかった。

 南当局は、市民の間から起きているこのような疑問の声を封じ込めようと躍起になっている。行政安全部は20日、緊急拡大幹部会議を開き、「沈没の原因などをめぐる根拠のない誹謗や不法行為」を厳重に取り締まることにした。

 メン・ヒョンギュ行政安全部長官は会議で、「法秩序と社会統合を阻害する虚偽事実の流布行為を徹底的に取り締まる」と述べ、とくにネット上に「誹謗がまん延しないようこまめに点検するよう」指示したという。

[朝鮮新報 2010.5.26]