拡大する平壌商品展覧会 各国、地域から279企業参加 |
先進技術の機械設備に関心 第13回平壌春季国際商品展覧会が5月17〜20日に、3大革命展示館で行われた。主催者の朝鮮国際展覧社のリュウ・ジョンオン課長によると、14カ国と1つの地域から279の企業(国内61、国外218)が5千余種、8万5500点以上の製品を持って参加した。出品された製品は機械、鉄鋼、電子製品と軽工業、食料日用および医薬製品、建材、化学製品、輪転機材などである。
朝中交流の一端
展覧会の規模は毎年拡大している。167の外国企業が参加した昨年に比べ、今年は50以上増えた。 シンガポール商業連盟代表団が参観団として参加、駐朝ブラジル大使館が初めて展示ブースを設置した。 主催者側は今回の展覧会の特徴のひとつとして、工作機械や測定機を含む大小の機械設備が多数出品されたことをあげている。 初期の展覧会では生活用品が中心だったが、近年は最新技術が導入された機械製品や生産設備が占める比重が増えている。今回の展覧会でもその流れが続いている。これは最新の設備と技術を導入して、国家の経済発展に弾みをつけようとする主催者側の意向が反映された結果だという。 また朝中間の経済協力、取引が活性化している近年の状況を反映し、中国から多くの貿易会社、企業が参加した。中国の各企業は工作機械、印刷設備、測定機などを出品し、国内の貿易部門の関係者の関心を集めた。 貿易部門の関係者は、朝中経済交流が両国指導者の深い関心の中で発展していると強調する。関係者は今年5月の金正日総書記の中国非公式訪問について言及しながら、今後、中国東北地方の企業の関心がいっそう高くなるだろうという見解を示した。
投資説明会も開催
近年朝鮮では対外市場の開拓と商品輸出の拡大、最新の科学技術と近代的な設備の導入、積極的な投資誘致について強調されている。 各国との多方面にわたる貿易と経済協力交流を発展させるうえで、平壌春季国際商品展覧会が果たす役割がさらに大きくなると展覧会の関係者は話している。 今回の展覧会の期間に国内外の多くの会社の間で輸出入に関する契約と合意書が締結された。 一方、今回の展覧会では初めて投資状況および投資政策説明会が行われた。説明会は18日、高麗ホテルで行われた。朝鮮側の関係者が朝鮮の投資関連法と投資環境に関する説明を行い、外国企業家からの質問にも答えた。 リュウ・ジョンオン課長は、今後平壌国際商品展覧会が「設備展覧会」の方向に進むべきだと話す。従来はテレビや冷蔵庫など家庭用の電化製品、生活必需品の出品が目立っていたが、これからは軽工業、農業など人民経済の各部門の生産に役立つ機械設備や技術の導入に関心を向けるべきだと指摘。展覧会の形態についても、部門別に細分化、専門化を追求していくと述べた。
城鋼の鉄製品に外国企業が関心
朝鮮と外国の会社の間で商取引が活発に行われた第13回平壌春季国際商品展覧会。 初めて展覧会に参加した朝鮮城鋼貿易会社も展覧会の期間中、中国の各社と輸出入契約を結んだ。 1998年に設立された同社は、城津製鋼連合企業所(咸鏡北道)で生産した圧延鋼材、合金鋼材、金属加工製品、各種規格のワイヤーロープ、黒鉛精鉱など10余品目の製品を輸出している。現在中国、タイ、マレーシアなどで取引を拡大している。 同社のリ・ジョンフン社長(45)は開催期間、城津製鋼連合企業所のチュチェ鉄(国内の原料と燃料から生産される鉄)生産システムと生産実態、企業所に対する投資環境、城鋼貿易会社の製品について外国企業に説明を行った。 リ社長によると、新たに開発した膨脹黒鉛粉末製品が多くの外国企業関係者の関心を集めたという。これは黒鉛の粉に高圧電流を流してつくった高純度の極超微粉末である。半導体や精密器具、機械類に広く利用される。 リ社長は、中国吉林省と遼寧省の企業家と面談し、すでに締結した貿易取引契約の履行状況と今後の展望について意見を交換したという。 朝鮮城鋼貿易会社と7年間貿易取引を行っている中国吉林省参観代表団のある企業家は、「私たちの会社は朝鮮のさまざまな企業と取引しているが、その金額が昨年より大幅に増えた。とくに朝鮮城鋼貿易会社との取引が増加した結果、延辺地域で朝鮮との貿易額が最も大きな会社になった」と話した。 そして、今回城鋼貿易会社と面談した過程で、城津製鋼連合企業所にけい素鉄生産施設をつくるための投資に契約し、圧延鋼材を含む多くの製品を注文したと明らかにした。【平壌支局】 [朝鮮新報 2010.6.4] |