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朝鮮で観光事業を積極展開、旅行客は昨年比2倍増

 【平壌発=姜イルク記者】最近、朝鮮が観光事業を積極的に展開している。国家観光総局によると、今年上半期には昨年に比べ2倍近い観光客が朝鮮を訪れたという。

 もっとも多いのは中国だ。「朝中友好の年」の昨年10月、温家宝総理が訪朝。朝中政府間で中国観光団体の朝鮮観光実現に関する覚書が交わされた。覚書は今年から効力を発生した。

 これまで朝中間には観光に関する公式の協定がなかった。相手国を訪れる旅行者の数を比べると中国側が多く、「収支が赤字になる」という判断によって、中国市場では朝鮮観光の商品が積極的に取り扱われなかった。新義州などの国境地域に対する観光が中心で、平壌観光も小さな規模にすぎなかった。

 今回の覚書について国家観光総局のキム・ヨンイルさんは、「中国側が観光市場を開放した」と指摘し、「われわれの観光商品を中国市場で大々的に販売できる枠組みができ、中国人観光客をさらに多く受け入れられる条件がつくられた」と話す。

 今年4月、中国側から観光部門の関係者300人を含む大規模訪問団が朝鮮を訪れた。現地の視察を主な目的とする初の公式訪問団は金剛山をはじめ朝鮮各地を回りながら、観光商品の確認作業を行った。

 欧州や東南アジア地域の観光客も急速に増えているという。

 「『天安』号事件で観光客の減少を心配したが、大きな影響はなかった」とキムさん。「8月初めから10月中旬まで大マスゲームと芸術公演『アリラン』が行われる期間は朝鮮の観光シーズン。旅行社が対応できるか心配になるほど多くの予約が入っている」

 飛行機便を利用して平壌から始まる観光商品の場合、期間は主に3泊4日、7泊8日、10泊11日の3つ。3泊4日の基本コースは平壌、開城、妙香山が含まれる。7泊8日の場合にはこれに正方山、九月山などの西海岸地区と元山地区が含まれる。10泊11日のコースは白頭山地区、七宝山地区も回ることができる。

金剛山観光も新たに

 金剛山観光の開発にも積極的だ。

 1998年から南朝鮮人民を対象にした金剛山観光が続けられてきたが、現政権の反北対決策動によって現在は全面的な中断状態にある。朝鮮の名勝地総合開発指導局は4月8日、新しい事業者との間で金剛山観光を始めると宣言した。

 キムさんによると、朝鮮を訪問した外国人たちの金剛山観光が今年4月から行われている。コースは元山市(江原道)を拠点にした一日観光だ。現在も観光を希望する申請が相次いでいるという。金剛山現地に宿泊しながら観光できる新商品も出るという。

 空路訪朝した外国人が金剛山観光をする場合、現在は平壌を出発して元山で一泊。翌日、金剛山まで車で移動し、一日で回るというプランになっている。  

 キムさんは「一日では金剛山のすべてを見ることはできないので、2泊3日程度で思う存分楽しめるプランを考えている」と話す。 現地宿泊プランの開始時期については来年からを見越しているが、「早ければ今年の『アリラン』公演期間から始まる」と見ている。

 今年に入って、中国や欧州各国からの視察団が現地を訪れた。現在、金剛山観光に対する外国の業者の反応は非常に良いという。

[朝鮮新報 2010.7.7]