〈今月の金正日総書記−6月−〉 人民生活向上の拠点を視察 |
6月の金正日総書記の公開活動は、13回(祝電など除く)。経済視察は5日間で8回(サッカー競技場視察は除く)、軍関連は公演鑑賞を含め3回だった。7日には、最高人民会議第12期第3回会議に出席した。 5日発朝鮮中央通信は、平安南道安州市の南興青年化学連合企業所に新たに建設されたガス化工程を現地指導した様子を報じた。 南興青年化学連合企業所は、2.8ビナロン連合企業所(咸鏡南道咸興市)、興南肥料連合企業所(同)とともに、朝鮮国内の中心的な化学工場だ。近年、これらの企業所では生産設備の現代化を推し進めてきた。南興青年化学連合企業所では昨年、石炭ガス化プラントが完成し、これに基づいた化学肥料の生産を4月に開始した。 チルゴル野菜専門農場(平壌市)では、すでにこの化学肥料で農作業を開始した。この農場は平壌市民に野菜を供給する専門農場で、今年、ヘクタールあたり10トンだった昨年の収穫高を上回る計画が立てられている。 総書記は、南興青年化学連合企業所で石炭ガス化による肥料生産の工程が完成したことで、農業増産の展望を開いたと喜びを表したという。 続いて訪れたのは、平壌の大同江果樹総合農場。同農場は最近数カ月の間に拡張工事を終え、従来の5倍に達する生産が見込めるようになったという。果樹園の耕地整理、道路・用水路の建設、数十万本の果樹支え棒設置などを行い、現代的な果物保管所と果物の加工工場も建設された。 また同農場では、養豚工場建設も急ピッチで進められている。畜産で得られる有機質複合肥料を果樹畑に施すことが可能になれば、果樹栽培と畜産の環状循環生産システムが確立される。 同農場は、国内の果樹栽培業を現代的に発展させる上でも重要な意義を持つモデル農場になっている。 金総書記は果樹園の各所を見て回り、高水準で建設されたこの農場こそ、先軍時代を代表する風景であると述べ、人民に多くの果物を食べさせたいという金日成主席の念願をかなえることができると語った。 6月中旬には、平安北道にある楽元機械連合企業所を現地指導した。 同企業所は今年1月にも訪れた場所で、2008年以降、5度目となる。これまでは石炭ガス化プラントの中心設備である酸素分離機(=液体酸素製造装置)の生産状況の視察がその目的だったが、今回は新たに製造された5m3のチャンベク(長白)号掘削機を視察した。 また技術革新によって生産工程を一新した油圧器具職場、建設機械設計研究所をはじめ各所を見て回り、技術装備の状態と生産状況を高く評価した。 総書記は、楽元機械連合企業所をはじめCNC(コンピューター数値制御)化が高い水準で実現された生産拠点では、どんな大型機械も製造できると述べ、この誇らしい現実は朝鮮の機械工業が世界の先端水準に堂々とのし上がったことを雄弁に実証していると指摘した。 最高人民会議 6月7日には、平壌の万寿台議事堂で行われた最高人民会議第12期第3回会議に出席した。会議では、総理の解任および選出と組織問題に関する議題が討議された。 第1議題として朝鮮労働党中央委員会政治局の提議により、金英逸代議員が総理の任から解かれ、崔永林代議員が総理に選出された。 第2議題では、金正日総書記の提議により、張成沢代議員が国防委員会副委員長に選出された。 最高人民会議は、日本でいう国会にあたる。 一方、6月に総書記が行った軍関係の視察は、朝鮮人民軍第593軍部隊指揮官講習所の1回で、2日には朝鮮人民軍第963軍部芸術宣伝隊の公演を、14日には朝鮮人民軍第2期第3回軍人家族芸術サークル・コンクールに参加した朝鮮人民軍第526軍部隊、第837軍部隊、第564軍部隊、第593軍部隊、第963軍部隊、第10215軍部隊、第762軍部隊、朝鮮人民内務軍第7501軍部隊の軍人家族芸術サークル公演を鑑賞した。(鄭茂憲記者) [朝鮮新報 2010.7.23] |