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今年も大盛況、「アリラン」公演 国内外の観客でわく

 延べ10万人が出演する大マスゲームと芸術公演「アリラン」が今年も大盛況に行われている。2日から連日、平壌のメーデースタジアムで上演されている「アリラン」公演を国内はもちろん数百人の外国人観光客、海外同胞らが観覧している。外国人の大半は、飛行機と列車で訪れる中国からの観光客だ。2010年度版「アリラン」公演には、今年から「永遠なる朝中友好」描いた章が取り入れられ、この場面になると中国人が陣取る観客席から歓声があがっている。

増える中国人

新たに導入された第5章「親善アリラン」の一場面

 「アリラン」公演は2002年、金日成主席生誕90周年に際して初上演され、05年から毎年約2カ月間上演されている(06年は中止)。朝鮮半島情勢は「天安号事件」を契機にいつになく緊張しているが、今年も上演され、国内外の観客でにぎわっている。

 「アリラン」公演は、朝鮮民謡「アリラン」をモチーフにアリラン民族の100年史を描いた壮大な作品だ。日帝の植民地支配など受難と悲哀の「アリラン」から誇りあふれる「先軍アリラン」、「強盛復興アリラン」に昇華され、祖国統一と世界平和に向けた朝鮮人民の志向をアピールしている。上演時間は80分程度。

 「アリラン」公演は毎年、時代の変化に合わせて一部修正、改作される。

 2010年度版は序章と5つの章、終章で構成されている。朝中友好を主題にした第5章「親善アリラン」が新たに導入され、09年度版より1つの章が増えた。

 「インターナショナル」の曲が流れる中、朝中両国の国旗掲揚で始まる。

 そして、朝中の老世代の革命家たちが繰り広げた抗日闘争と朝鮮戦争でともに戦った歴史を描く。

 次の場面では、中国の衣装をまとった出演者と獅子や龍などが踊るなか、中国の歌が流れ、背景には「朝中友好は世紀を継いで」「共産党がなければ新たな中国もない」「鴨緑江の清い水とともに朝中友好永遠なり」などの文字が浮かぶ。

 「親善アリラン」が上演される間、中国の観覧客らは、ともに歌をうたい、拍手で歓喜を表していた。

 今年は、朝鮮戦争勃発60周年と同時に中国人民視援軍の朝鮮戦争参戦60周年になる年だ。

 朝中外交関係設定60周年の昨年は「朝中友好の年」とされ、両国総理が往来。10月の温家宝総理の訪朝時、中国観光団体の朝鮮観光実現に関する了解文書が調印された。それまで中国人の観光は新義州など国境地帯が主だったが、この合意によって平壌への観光の道が大きく開けた。

 8月から10月までの本格的な観光シーズンを迎え、中国からの平壌への観光客は大幅に増えたという。そして観光客らは目玉商品の「アリラン」公演を観覧している。

その他新場面

 「親善アリラン」以外にも、最近朝鮮で成し遂げられた経済建設の成果などが新たに取り入れられた。

 第2章第3景の「天地改壁」では、西海閘門に匹敵するテゲド干潟地、「先軍11景」のひとつになった大同江果樹総合農場、全国の関心のもと大々的に行われているヒチョン発電所建設場などが背景台に反映された。

 第2章第6景の「さらに早くさらに高く」では、流行曲の「突破せよ最先端を」のメロディーが流れ、16年ぶりに復活した2.8ビナロン連合企業所のビナロンや城津製鋼連合企業所の「チュチェ鉄」、朝鮮が誇るCNC(コンピュータ数値制御)技術、南興青年化学連合企業所の「チュチェ肥料」などを踊りとマスゲームで華やかに表現している。(※チュチェ鉄・肥料などは国内の原料および燃料で生産するものを指す) 「アリラン」公演の演出家によると、公演期間中に「奇跡」や「事変」が起きれば随時作品に反映させていくという。【平壌支局】

[朝鮮新報 2010.8.12]