白頭山で人気のジャガイモ料理 |
「季節限定」の避暑地で味わう
大マスゲームと芸術公演「アリラン」が2日、綾羅島のメーデースタジアムで幕を開け、朝鮮では夏の観光シーズンが真っ盛りを迎えている。この季節は、朝鮮を訪れる在日同胞たちの数も増える。 夏の暑さを忘れさせてくれる観光名所と言えば白頭山だ。ふもとの三池淵一帯の年平均気温は0.6度。8月の平均気温も15.6度で、朝鮮有数の避暑地となっている。 また、冬の季節は白頭山が雪に覆われ観光自体が中止になるため、観光客は5月から10月までに集中する。 そんな白頭山の裾野に広がる両江道三池淵郡、大紅湍郡では、名産のジャガイモを使った料理が人気だ。 ペゲ峰冷麺店(三池淵郡)と大紅湍冷麺店(大紅湍郡)は、過去に金正日総書記が訪れたこともある名店で、冷麺の味には定評がある。三池淵郡三池淵邑の中心地に位置するペゲ峰冷麺店の昼時は、労働者や若者たちでにぎやかだ。
ジャガイモ冷麺のみを専門に提供する同店は2002年10月にオープンした。白頭山の観光シーズンには、一日の来客数が400〜500人にも上る。
冷麺のおいしさの秘訣は、水にあるという。 チャン・キョンフィ支配人(42)は、「ヤンサ谷という場所の湧き水を使用している。質のいい天然水で、一般の水道水とはまったく違う」と胸を張る。 一方の大紅湍冷麺店は1990年にオープンし、昨年に店舗を全面改築した。来店者は地元住民が多く、300ある席は毎日埋まるという。 同店ではジャガイモを原料にした冷麺だけでなく、トウモロコシやそば粉を使ったものなど5種類の冷麺が楽しめる。 お薦めはもちろん地元特産のジャガイモの冷麺だが、冬場にはトウモロコシ冷麺のオーダーも増えるとキン・ヨンスク支配人(51)は話す。 大紅湍郡は、全国的にジャガイモの名産地として知られ、同店では大紅湍ジャガイモ加工工場から材料を仕入れている。 2002年に竣工された同工場では、大紅湍で収穫されたジャガイモからでん粉、焼酎、酢など幅広い製品が生産されている。 ジャガイモ料理500種類
白頭山地区で唯一の国際ホテルであるペゲ峰ホテルのジャガイモ料理も人気だ。 1986年にオープンしたこのホテルで提供されるジャガイモ料理は、チヂミ、もち、ムク、冷麺をはじめ、500種類を数える。同ホテルのジャガイモ料理は、名節などに全国規模で行われる各道特産物料理祭典で何度も1位に輝いたほどだ。 また、ぜんまいや白頭山ヤマドリタケ(きのこの一種)などの山菜料理も有名で、従業員たちが直接収穫した食材が調理され、振るまわれる。 三池淵邑から数キロメートル、ペゲ峰のふもとに広がる森の中にたたずむこのホテルでは、宿泊客の要望に応じて野外での食事も提供している。白頭山地区の大自然の中で食べる料理は格別だと、来館者の人気を博している。 ちなみに、ペゲ峰の名前は、その形が「枕(ペゲ)」に似ていることから付けられたと言われる。 シム・ヨンスク支配人(54)は、「いい季節に当ホテルにお越しいただいて、白頭山地区を見て回り、楽しい思い出を残していただけたら」と話した。【平壌支局】 [朝鮮新報 2010.8.20] |