平壌で10万世帯住宅建設続く 「戦後復興期のスピードを彷彿」 |
平壌市は今、10万世帯の住宅建設の真っただ中にある。首都・平壌の住環境の改善は、金日成主席の生誕100年にあたる2012年に「強盛大国の大門を開く」ための重要課題の一つして掲げられている。 80年代後半から90年代前半にかけ、平壌には光復通り団地、統一通り団地のような住宅群が建設された。平壌での大規模な住宅建設が展開されるのはそれ以来となる。 市内中心部の解放山地区では、9階から14階建ての7つの棟からなる300余世帯が入居するアパートが建設中だ。 工事を請け負うのは、昨年、万寿台通り団地を完成させた建設者たち。工事は現在、最終段階を迎えており、外壁のタイル張りと内装工事が行われている。今年1月に着工され3月までに基礎工事を終えた。骨組み工事も6月までに完了した。 9月に予定される朝鮮労働党代表者会を前にアパートを完成させようと、工事は計画の2倍の速度で推し進められているという。 日々変化する工事現場を通勤時に毎日目にするという近隣住民は、「アパートの姿が数時間ごとに変化しているようだ。工事現場を見ていると、『平壌速度』と言われた戦後復旧建設(1950年代)の時代にタイムスリップしたようだ」と話した。
国内技術で建設サポート
10万世帯の住宅建設に必要な重機類に関しては、国内の建設機械部門の各工場が全面的に協力している。 徳山建設機械合弁工場では建設現場で使われるクレーン、ブルドーザーをはじめとした重機類に不具合が生じた場合、そのつど修理し、住宅建設の完工期日を早めるためのサポートをしている。 これまで重機の修理に必要な機器や付属品は少なからず輸入に頼っていたが、近年、技術者と労働者たちが国内の資材と技術で解決する方法を研究し、実現させた。現在、精密機器の部品も修理できる水準にまでその技術力は高められ、国内各地の建設現場が、その恩恵を受けている。 同工場では、技術者を建設現場に派遣し、自分たちが修理した建設重機が円滑に作動するように監督するサービスも行っている。 また住宅建設には、国内で新しく開発された多機能水性塗料とパラフィン高分子防水液が使用されている。 水性塗料は、水に溶かして使用するため便利で人体への影響が少ないという。国内原料で生産され、質も高く保存性もいいと施工者から好評だ。建物のみならず、鉄や木材などいろいろな素材にも使用できるだけでなく、防水、防火性能にも優れ、マイナスイオン効果もあることから、需要が急増した。 一方のパラフィン高分子防水液は、防水効果が高いと評判だ。付着性が優れているため防水液を塗ってすぐにタイルを張り付けることもできるという。国内の原料から作られるため、コスト削減にもつながっている。【平壌支局】 [朝鮮新報 2010.8.21] |